アスキー
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なるほど画期的!
タイトルに比べオーソドックスな「読み物」
間違い多し。
買う価値は本当にあります!
教える立場にある者は、教わる立場・勉強する・学習する立場にも、積極的におかれるべきと私は常々考えています。
2008年私の場合、その勉強の対象は英語(特にリスニングとスピーキング)でした。
英語勉強法を説いたいくつかの本を買い、それらの本の中ですすめられている参考書類も随分購入しました。
そんな書籍の中で効果を強く感じ、パソコンインストラクターという立場からも参考になると非常に感じる本が何冊かあります。
本書はその一冊です。
本書に取り組む前の私は、1分間に150語程度までのスピードの英語なら、1回から数回聞けば音としての聞き取りはできるようになっていましたが、それより早いスピードになると、聞き取ることのできない音が多くなるというレベルにありました。
それが本書の、第2章〜第4章の練習をほんの数回行っただけで、それまで聞き取ることのできていなかった英語の音が、各段に聞き取れるようになったのです。
もちろん、まだまだ聞き分けられない音はありますが、耳栓を急にはずしてもらったかのようなあの感動は本当に鮮烈でした。
英語に限らず、勉強・学習をしていると、この耳栓をはずしてもらったような体験、濃いサングラスをはずしてもらったような体験、かかっていた霧が晴れるような体験をすることがあります。
そんな体験は、学習する側としてはとても嬉しいものですし、貴重な瞬間でしょう。
教える側としては、そんな体験をどうしたら、してもらえるのか、してもらいやすいのか、より強くしてもらえるのか、より頻繁にしてもらえるのか、を考え続けなければいけないと思っています。
そういった思いを非常に強くさせてくれる一冊です。
ただし、私がたった数回の練習で感じた喜びを、本書を使ったすべての人が味わえるという保証はないでしょう。
私の場合は、壁にぶつかりながら聞き取りを続ける中で無自覚に蓄積されていたものと本書と出会ったタイミングがとてもラッキーだったのだと思うのです。また、本書と私の相性のようなものもあるかもしれません。
このことも、教える側としては記憶しておく必要があると考えています。
どれほど教える側が工夫したところで、学習の最終決定者は学習者なわけで、タイミングや相性もあって、すべての学習者に対して、同一の教授方法が有効ではないということもしっかり認識しておく必要があるでしょう。