ディスカヴァー・トゥエンティワン
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よく工夫されている
英文法のマインドマップ本
これこそ世界でいちばん分かりやすい英文法
パソコンインストラクターに限らず、教える立場にいる人は、教わる側・勉強する側にも積極的にいるべきだと、私はずっと思っています。
その私の、最近の勉強対象の一つは英語です。
2008年はリスニング・音読・瞬間英作文に重点をおいていたのですが、ここにきて中学レベルの英文法をザックリやり直したほうが学習効率が高そうに感じはじめ、分量の多くない、細かいことを書きすぎていない、概略を理解するのに役立ちそうな英文法の参考書を探していました。
そんな中、書店でみつけたのが本書です。
本書は、英文法の勉強だけでなく、(パソコンインストラクターという)教える立場にいる者としても、とても有益に感じます。
このサイトでは「教材設計マニュアル」という本をご紹介したことがありますが、本書「東大生が書いたつながる英文法」も同じ考え方で構成されています。
まず第1章では、「英語が得意になる7つの習慣」として、効率的な学び方・勉強の仕方の基礎がまとめられています。ここに書かれていることは、英語学習に限らず、どんなことを学習をする場合でも参考になる考え方に思えます。
次に第2章「中学英語の全体像」で、本書全体がどういう構成になっているのか、英文法で何を学ばなければならないかが、20ページでまとめられています。
残りの章では、第2章で書かれている内容が、もう少し細かく説明されていきます。
それぞれの章や講の最初に中学英文法の全体像のマインドマップが描かれ、その章・講ではその中のどこを何のためにやるのかが示され、章・講の最後には重要事項が1〜2ページ程度にまとめられています。
全体から章の作りに至るまで、インストラクショナル・デザインのすばらしい実例となっていて、テキスト類の作り方として、教える立場になったときの流れの作り方として、とても参考になります。
勿論この構成は自然に生まれたわけではなく、著者は相当に意識していたようです。
でも、あなたに伝えたかったことは英文法の知識だけではないんです。
「全体像の中でどこにいるのか?」
「なんでこうなるのか?」
「何のためなのか?どんなことに役立つのか?」
という3つの質問について考える大切さこそ、実はこの本で僕が一番伝えたかったことなのです。
私よりも20歳も若い著者のこの言葉は、教える側に立つ者として、強く意識しておく必要がある言葉に感じます。
英文法をやり直したいと考えている方は勿論のこと、対象はなんであれ、教える側に立つ人におすすめの一冊です。
本書の45ページには、中学英語の文法と高校英語の主な文法との関連がマインドマップでまとめられています。英語学習中の私としては、このマインドマップを展開した、本書に続く高校英語文法書を著者に期待したいです。