日本マンパワー出版 (1996/06)
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知識があるだけで講師が務まるという誤解は、一体いつからあるものなんでしょう。
教えるということができるためには、教える内容についての知識がもちろん必要ですが、教えるためのテクニックも身につけておく必要があるはずなのに。
日本での経営コンサルタントの国家資格としては中小企業診断士資格がありますが、これを取得した先生方の仕事の一つに、各種セミナーでの講師があります。
インストラクターという職業は教える側ですが、私は教えられる側の立場を実感するためにも、機会をみつけてはいろいろなセミナーに参加させていただいています。
そんなときに、実務経験の少ない中小企業診断士の方が講師を担当するセミナーというのは、つまらないことが非常に多いのです。
中小企業診断士を取得しているわけですから、その分野についてある一定量の知識は間違いなくあるはずですが、教え方が下手だなということを非常に感じさせられるのです。
著者の宮本氏は、そんな失敗事例を身近でたくさんご覧になってきたのだろうと思います。「まえがき」を読むと、私と同質の感情を持ったことが本書執筆の動機であることが、よくわかります。
そんな著者が、教え方についてまとめたのが本書です。
内容は単なる理論に終わるのではなく、
第5章 レッスン・プランのつくり方
第7章 講義での話し方、態度の基本
第11章 指導、教育の雰囲気づくり
といった章見出しからわかるように極めて具体的な内容となっています。
インストラクターというのは教えることが本業ですから、本書に書かれていることは知っていて当然なはずですが、日々の仕事に追われているとこういった基本がおろそかになってしまいがちなのが現実でしょう。
時折こういった本を読み、「あーそうだった!」という思いをすることは大切だと感じます。
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