資格試験向けの勉強をしたことのない方で、この言葉がわかる方は少ないかもしれません。逆にMicrosoft Office Specialist試験(旧MOUS)の勉強をした方は、「あー、あれなんか苦手」と思う方が多いと思います。
実務でお使いの方の場合、3D参照・3D集計という言葉自体はご存知なくても、実際使っていたり機能としてはご存知じゃないかと思います。(実務では「串刺し演算」「串刺し計算」という言い方をされる方も多いようですが同じことを意味しています。)
複数のワークシート上の同じセル位置にあるデータを合計するようなことを、3D参照または3D集計と呼びます。
例えば、お店を複数持っている会社での売上集計用シートを想像してください。
各店舗の、毎月の商品ごとの売上が入力されたシートと、それらの合計を表示するシートがあります。
シート名は「合計」「下北沢店」「高円寺店」「中野店」となっていて、店舗ごとのシートのA列には商品名が、1行目には「1月」「2月」と月が入力されB2セル以下にそれぞれの売上が入力されています。
「合計」シートには「下北沢店」から「中野店」までの合計を出すための計算式が入力されています。「=SUM('下北沢店:中野店'!:B2)」というように。
実務で使う場合は、「合計」シートに「=SUM('下北沢店:中野店'!:B2)」という計算式を入力し、他のセルにコピーするという方法をほとんどの方がお使いだと思うのですが、Microsoft Office Specialist試験ではそれ以外の入力方法を知っていないといけません。
データの入力されている範囲が「B2:N10」の場合に、「合計」シートの「B2:N10」を選択しておいて、コピーではなく一気に計算式を入力する操作を求められる場合があるようなのです。
(上記のようなブックで入力する例です)
シート「合計」のセル範囲「B2:N10」 を選択
↓
[標準]ツールバー−[オートSUM]ボタンをクリック
↓
シート「下北沢店」のセル「B2」をクリック
↓
[Shift]キーを押しながらシート見出し「中野店」をクリック
↓
[数式バー]に「=SUM('下北沢店:中野店'!:B2)」と表示されているのを確認後、[Ctrl]キー+[Enter]キーを押す
これだけの操作なんですが、最後につい[Enter]キーだけを押してしまって、シート「合計」のセル「B2」に合計が入力され他のセルは空っぽのままになるのを見たときに
「あ〜間違っちゃったぁ、なんか3-D参照キライ〜」
という反応を多くの方がしてしまうようです。
おそらく、[Ctrl]キー+[Enter]キーという操作を、他では一度もやったことがないのに、いきなり3-D参照式の一括入力で出てくることに原因があると、私は感じています。
[Ctrl]+[Enter]については、以前ご紹介しました。
同じデータを複数のセルに対して一気に入力する操作です。
[Ctrl]+[Enter]だけをご紹介すると、多くの方が「へ〜、便利ですねぇ、知りませんでした」という反応をします。
この操作を知ってから先ほどの3-D参照の一括入力操作を見直すといかがでしょうか。
複数のセル範囲に一気に同じ式を入力したいために[Ctrl]+[Enter]なのです。
別に3-D参照だから[Ctrl]+[Enter]なのではありません。
3-D参照苦手と思ってらっしゃる方、まずは[Ctrl]+[Enter]を何回か試して、便利だなと感じてから3-D参照の一括入力に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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