「小数点以下を無視して計算したいのですがどうすればいいのでしょうか?」
といったご質問をいただくことがあります。
この質問が何を意味しているかわからない方も少なくないでしょうから、まずはサンプルファイルをご覧ください。
▼サンプルファイル(003447.xls 14KByte)ダウンロード
サンプルファイルのC1・C2セルには
=A1*B1 =A2*B2
という数式が入力してあり
C3セルにはそのC1・C2セルを合計する
=SUM(C1:C2)
という数式を入力して、それぞれ小数点以下を表示しないような書式設定が行ってあります。
A1・A2セルには「110」
B1・B2セルには「0.05」
という数値を入力してあります。
C1:C3セルは小数点以下を表示しない設定にしているので、「=110*0.05」の計算結果「5.5」が四捨五入され「6」と表示されています。
ところが(というか、当たり前のことですが)そのC1・C2セルを合計したC3セルには、「11」と表示されています。
これを「12」と計算させるにはどうしたらいいのか、というご質問です。
そもそも「6」+「6」が「11」となってしまう原因は、C1・C2セルの表示は「6」と表示されているけれども、実際は「5.5」という値だからです。「5.5」と「5.5」を足したので「11」になっているだけなのです。(サンプルファイルのC1:C2セルを選択して、小数点以下まで表示させていただければおわかりいただけるでしょう。)
小数点以下を無視した計算を行いたいのならば、セルの書式設定で小数点以下を非表示にするのではなく、四捨五入をするROUND関数を「=ROUND(A1*B1,0)」のように使って丸め処理を行うことが必要です。
ただ実務では、入力する計算式をできるだけにシンプルにしたいといった理由から、ROUND関数を使わずに、小数点以下を無視して計算させたいといった要望をいただくことがあるのです。
これが先のご質問の意味しているところです。
ブック全体の設定を変更していいのなら、ROUND関数を使わなくても小数点以下を無視して計算させることが可能ですので、その方法をご紹介しておきます。
※Excel 2007の場合
[Officeボタン]
−[Excelのオプション]ボタンをクリック
↓
[Excelのオプション]ダイアログ
−[詳細設定]をクリック
↓
[次のブックを計算するとき]欄
−[表示桁数で計算する]チェックボックスをOnに
↓
[データの正確さが失われます。元に戻すことはできません。]
メッセージボックスの[OK]ボタンをクリック
↓
[Excelのオプション]ダイアログ
−[OK]ボタンをクリック
インターフェースの違いから、Excel 2002・2003では以下の手順です。Excel 2007と操作手順は異なりますが、やっている中身は同じことです。
※Excel 2002・2003の場合
メニュー[ツール]−[オプション]をクリック
↓
[オプション]ダイアログ
−[計算方法]タブ
−[ブックオプション]欄
−[表示桁数で計算する]チェックボックスをOnに
↓
[オプション]ダイアログ
−[OK]ボタンをクリック
↓
[データの正確さが失われます。元に戻すことはできません。]
メッセージボックスの[OK]ボタンをクリック
[表示桁数で計算する]チェックボックスをOnにすると、そのブック(そのExcelファイル)では以後セルに表示されている数値そのままで計算が行われるようになります。
先のサンプルファイルも、C1:C2セルを小数点以下を表示しないような設定にして、[表示桁数で計算する]チェックボックスをOnにしてやれば、C3セルには「12」と表示されます。
小数点以下の数値を無視して計算したいという方は、一度ご確認ください。
この設定はブック全体に設定されますので、あるブックの、一部では表示どおりに計算させ他の部分では表示されていない小数点部分も使って計算する、といった使い方はできないということはご注意ください。
そのあたりをしっかり理解して使えば計算式の入力の手間を随分減らせられる便利な設定ではあります。(日本では、この設定変更はあまり行うべきでないという派の声のほうが多いようですけれど……)
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