絶対参照・複合参照が理解できるかどうかで、Excelを表計算ソフトとして使いこなせるようになるか大きな分かれ道があると思っています。
「コピーをしたときに参照しているセルを変えたくないのですが、どうすればいいのですか?」
という質問をいただくことがあります。
こういう質問をされる方はExcelのとても便利な仕様に気付いてらっしゃるので、絶対参照・複合参照についての理解がとても早いと思います。
例えばC1セルに「=A1+B1」と入力されていて、C1セルをC2セルにコピーすればC2セルでの数式が「=A2+B2」になるのだということ、数式の中でセルを参照するようにしておいてからどこかにコピーをすると数式が自動的に変化するのだということを理解できていないと、先のような「コピー時に参照セルを変更しないようにしたい」という要望・質問は出てきません。
オートフィル(コピー)をしたときに数式をいちいち入力しなくても計算されるので、Excelというのは便利だなということはどんな方でも感じるはずですが、このときになぜコピーした先でも正しく計算されるのかしっかり理解しておかないといけません。
相対参照と絶対参照
通常のセル参照は相対参照と呼ばれ、相対的なセルの位置関係だけを知っています。
C1セルで「=A1+B1」となっていれば「一つ隣のセルともう一つ隣のセルを合計するのだ」という状態なのでC2セルにコピーされれば「=A2+B2」に自動的になっているわけです。
相対参照に対して、コピーしても参照先セルを変化させないような参照方法を絶対参照と言い、行番号や列番号の前に「$」マークをつけることで絶対にそのセル参照するよう参照先が固定されるようになります。コピーをしたときに参照するセルが変化しないようなセル参照の方法
例えばC1セルで「=$A$1+B1」としてC2セルにコピーすると「=$A$1+B2」となり、列番号の「A」行番号の「1」いずれの前にも$マークがつけられているので、コピーしても必ずA1セルを参照するようになります。
絶対参照にするショートカットキーF4
絶対参照にするには、キーボードから「$」マークを直接入力しても構いませんが、ショートカットキー[F4]を使う方が簡単でしょう。
例えば数式内の「A1」という部分にカーソルがあって[F4]キーを押すと、
「A1」→「$A$1」→「A$1」→「$A1」→「A1」
といった順序で参照の形式が変化します。
複合参照とは
「A$1」「$A1」のように、行番号・列番号いずれか一方が固定された参照方法を「複合参照」と呼びます。
「A$1」をコピーすると行番号の「1」は変化せず列番号だけが変化します。
「$A1」は列番号の「A」だけが固定されます。
絶対参照・複合参照の考え方は、文章を読んだだけではなかなか理解し辛いところですから、是非実際にExcelのワークシート上で試してみてください。
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