実務では、自分以外の人が作ったファイルを見る機会が、頻繁にあります。
取引先の人が作ったファイルであったり、前任者が作ったファイルだったり。
そんな自分以外の人が作ったExcelファイルを見る機会のある方から
「数式の先頭が、『=+』になっているファイルがあるんですけど、これはどういう意味ですか?」
というご質問をいただくことがあります。
▼サンプルファイル(001527.xls 24KByte)ダウンロード
サンプルファイルのC2:C9セルには、先頭が「=+」になっている数式をいろいろ入力してあります。
通常Excelの数式の先頭は、F2:F9セルのように「=」です。
しかしC2:C9のように「=」の直後に「+」の入力された数式を利用する方もいらっしゃいます。
この「=+」がどういう意味なのか、どうして「=+」にしているのかというのがご質問の主旨です。
数式の先頭が「=」となっているものと、「=+」とは、基本的には同じです。
サンプルファイルのA2・A3セルの値をいろいろ変えながら、「=+」の数式の入力されているC2:C9セルと、「=」だけではじまる一般的な数式の入力されているF2:F9セルをご確認いただくといいでしょう。
同じ結果が表示されるはずです。
で、なぜ「=」の後ろに「+」を入力しているかですが、現在も「=+」型の数式を利用している方は、入力が楽だからという理由だろうと私は推測しています。
「=+」型の数式は、「=」を入力してから「+」を入力するのではなく、「+」だけを入力しています。
例えば「+A2」と入力して確定すると、「=+A2」という形に自動的に変更されるのです。
この「+」を入力してから数式を入力するというのは、元々ロータス1-2-3で採用されていた入力方式です。
Excelはロータスユーザーの取り込みが、重要なマーケティング戦略の一つで、その具体化として、ロータスと同様の操作できるようにするという戦術がとられました。
その結果、今でも数式を「+」を入力してから入力できるのです。
で、今現在「=+」型の数式を利用している方が、全員ロータスユーザーだったのかというと、
それはちょっと考えにくいです。
むしろ、数式の入力をするのに「=」から開始するよりも、「+」から開始するほうが楽だからという理由で「=+」型の数式を利用しているんじゃないかと、思うのです。
キーボードから「=」を入力する手間と「+」を入力する手間を比較してみると、おわかりいただけるでしょう。
「+」はテンキーなら[+]キーが用意されています。
通常のキーボードでも、ホームポジションから大きく手を動かすことなく入力できます。左手で[Shift]キーを押しながら、右手はホームポジションのまま小指で[;]を押せば「+」になります。
しかし「=」の入力は、左手で[Shift]キーを押しながら、右手をホームポジションから右上方に移動させて小指で[-]キーを押す必要があります。
「=」の入力のほうが、「+」の入力より面倒なのです。
私が知っている、今「=+」型の数式を利用している方は、Excelの数式をバリバリ使いこなすような方で、Excelの数式を「=」ではじめるということをご存知ないとは考えにくく、「=」の入力より「+」の入力のほうが楽だから「=+」型の数式を利用していらっしゃるんじゃないかと思うのです。
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