通常は、↓のように
A・B・C・D・E・F・・・
と表示される列番号が、
↑のように
1・2・3・4・5・6・・・
と数字で表示されることがあります。
この状態のときに数式を確認してみると、通常とは異なった状態になっています。
例えばA1セルに
「=SUM(B1:C1)」という数式が入力されていたとすると、
「=SUM(RC[1]:RC[2])」という数式になります。
これはR1C1参照形式と呼ばれるセル参照の方式です。
2003までのExcelでは[オプション]ダイアログ−[全般]タブ[設定]欄−[R1C1参照形式を使用する]チェックボックス、Excel 2007では[Excelのオプション]ダイアログ−[数式]をクリック[数式の処理]欄−[R1C1参照形式を使用する]チェックボックスをOffにすることで、通常のアルファベットに戻せることをご紹介しました。
このことを知った方から、
「R1C1参照形式って何のためにあるのですか?
「R1C1形式って何が便利なんですか?」
といったご質問をいただくことがあります。
A1形式は・・(中略)・・Lotus 1-2-3が採用している。また、後者は・・(中略)・・Microsoft社製の表計算ソフトMultiplanが採用していたものだ。
(P.11より)
「A1形式」と呼ばれているのが通常のExcelのセル参照形式のことです。
Multiplan(マルチプラン)というのは、Excelより昔にMicrosoftが販売していた表計算ソフトです。
そのMultiplanで、R1C1形式が採用された理由について以下のような記述があります。(P.12より)
(P.13より)
つまり、Microsoftの表計算ソフトは、元々はR1C1形式だったわけですが、Lotus 1-2-3ユーザーをExcelに乗り換えさせるために、ExcelではA1形式を採用し、R1C1形式をオプションで選択できるようにしたということです。
・・・といった背景のあるA1形式とR1C1形式ですが、現在R1C1参照形式が便利に感じられるのは、VBA(Visual Basic for Applications)でマクロを組むときです。
列番号がアルファベットで表示されているより、R1C1参照形式にして数字で表示されているほうが、各段にコーディングしやすくなるのです。
マクロを組むときに、指を折りながらアルファベットを数えたという経験がある方は、R1C1参照形式にしてみるとその便利さを即座にご理解いただけるはずです。
ループを何回回せばいいのか、いくつオフセットすればいいのかといったときに、列がアルファベットで表示されていると、アルファベットを口で唱えながら指を折ったりするという行為をせざるを得ませんが、数字で表示されていれば引き算をすれば済みます。
私が、2008年10月現在、R1C1参照形式にするメリットとして実感しているのは、このマクロを組むときだけです。
逆に言えば、マクロを組んだり、元々R1C1参照形式の表計算ソフトを使っていたという経験がない方にとっては、R1C1参照形式にするメリットは特にないと思います。
もし他のメリットがあるようなら、是非教えてください!
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