[セルの書式設定]ダイアログでユーザー定義書式を設定することで、関数の計算結果の前に文字を表示できることをご紹介しました。
他にも方法があるのでご紹介しておきます。
私個人としてはあまりおすすめしたくない方法なのですが、どちらかというとExcelにあまり慣れていない方にウケのいい方法です。
文字列連結演算子「&」を使って、文字列をつなげるという方法です。
※A1:A5セルの合計を求めるSUM関数の前に「合計 」という文字を表示する例 数式を
「="合計 " & SUM(A1:A5)」
に修正する
数式内に書かれているわけですから、わかりやすいといえばとてもわかりやすい方法です。そのためExcelにあまり慣れていない方に好まれるのでしょう。
しかし、注意すべき点があります。
数値の書式を設定しようと思った場合、セルの書式設定では対応できなくなり、TEXT関数で書式設定しなければならなくなりません。
例えば、
桁区切りカンマを入れたい場合は、
「="合計 " & TEXT(SUM(A1:A5),"#,##0")」
桁区切りカンマを入れて、後ろに「円」と表示したい場合は、
「="合計 " & TEXT(SUM(A1:A5),"#,##0") & "円"」
としなければなりません。
▼サンプルファイル(003641.xls 23KByte)ダウンロード
サンプルファイルのA6:C6セルには、上記のような文字列連結演算子を使って、文字を表示する数式の例を入力してあります。
比較のためにA8:C8セルには、同じような見た目にするのを、セルの書式設定によって行った例を入力してあります。参考までにA9:C9セルにはどのような書式が設定してあるのかも入力してあります。
書式設定よりも、もっと注意すべきことは、「="合計 " & SUM(A1:A5)」という数式にしてしまうと、このセルの結果は数値ではなく文字列になってしまうという点です。
例えば、サンプルファイルで合計の値を使って消費税計算をするようなケースを考えてみましょう。
サンプルファイルのE6セルには「=A6*5%」という数式を入力してあります。しかし、#VALUE!エラーが表示されています。A6セルは文字列になってしまっているので、掛け算ができなくなってしまったのです。
しかしセルの書式設定によって「合計」の文字を表示しているセルの場合はエラーになりません。「=A8*5%」という数式の入力されているE8セルには、ちゃんとA8セルの5%が計算されています。
文字列連結演算子を使って、関数・数式の前に文字列を表示することは、もちろんできますが、以上のようなデメリットがあることは、よく理解しておく必要があると思います。
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