このサイトは、「インストラクターのネタ帳」というタイトルだけあって、インストラクターなどパソコンを教える側の立場の方にも、多く読んでいただいているようです。
教えるという行為を明確に意識してらっしゃるパソコンインストラクターな方なら、気づいてらっしゃる方が少なくないと思います。パソコン講習会で質問されることの、少なくない部分が、実はパソコンとは直接的には関係のないものであることを。
例えば、
「Excelで達成率を計算するにはどうしたらいいのでしょう?」
「Excelで増加率を計算するにはどうしたらいいのでしょう?」
といった質問です。
Excelで、割り算を「/」で行うことを知らない方が上記の質問をする場合、Excelの質問といえるでしょう。
しかし、Excelでは割り算を「/」で行うことを十分ご存知の方からも、上記のような質問をいただくことがあります。その場合、その質問者がわからないのはExcelの使い方ではなく、式の立て方です。何を何で割ればいいのかという、算数がわからないわけです。
練習問題などを解くような場面では、もっと明確です。
「問題文の意味がわからないんですけど。。。」
といった質問をいただくことは、決して、まれなことではありません。
この質問も、例えば何百字にもわたって様々な条件が列挙されているようなケースなら、わからないとおっしゃることも了解可能です。
それが、
「関数を使って売上の平均を求めてください。」
といった20文字程度の文章であったとしても、ExcelではAVERAGE関数で平均が求められることをご存知の方から、
「問題文の意味がわからない」
というご質問をいただくことがあるのです。
そういった方が、日常会話に何らかの不具合があるかといえば、まったくそんなことはありません。
そして、問題文がわからないとおっしゃる方と、先の式の立て方がわからないとおっしゃる方は、結構、重なっている印象があります。簡単な文章をわからないとおっしゃる方は、簡単な式の立て方もわからないとおっしゃることが多いように感じています。
パソコンのインストラクターをはじめてから、こういった質問をいただくことがあまりに多く、
「子供は割り算の能力や、文章を読む能力をどうやって獲得していくんだろう」
ということが、ぼんやり気にかかっています。