「ゴールシークとは何ですか?」
「ゴールシークってどうやって使うのですか?」
というご質問をいただくことがあります。
2003までのExcelならばメニュー[ツール]に、Excel 2007では[データ]タブ−[データツール]グループ−[What-If分析]ボタン内に[ゴールシーク]コマンドがあります。
コマンドを実行すると、[ゴールシーク]ダイアログが表示されるのですが、これはどうやって使うものなのか、どんなときに使うのか、一体何なのか、というのがご質問の趣旨です。
計算式に数値やセルを指定して計算結果を求めるのが、一般的なExcelの使い方ですが、ゴールシークでは計算結果を先に決めて、その結果を得るためには元の数値をいくつにすればいいのかを求めることができます。
ゴールシーク機能をはじめて使うという方の場合、まずは思いっきり単純な例で理解するといいと思います。
例えばカフェなどの飲食店をオープンするようなシーンを想像してください。
その飲食店で、
ランチタイムの売り上げ目標を決めたときに、
何人の顧客がランチタイムに来店すればその目標が達成できるのか、
あるいは
ランチメニューをいくらにすれば目標が達成できるのか
を試算する必要が出てくるでしょう。
こんなときに使えるのがゴールシークです。
※B2セルに来店顧客数、B3セルに顧客平均単価、B3セルに売上高を求める計算式が入力され、目標売上高を3万円に設定し、来店顧客数が予測できるときに、顧客平均単価を求める例 [ゴールシーク]ダイアログを表示
(2003まではメニュー[ツール]−[ゴールシーク]をクリック、2007では[データ]タブ−[データツール]グループ−[What-If分析]ボタンをクリック)
↓
[ゴールシーク]ダイアログ
−[数式入力セル]欄に「$B$3」
−[目標値]欄に「30000」
−[変化させるセル]欄に「$B$2」
を指定後、[OK]ボタンをクリック
↓
結果の表示された[ゴールシーク]ダイアログで、[OK]ボタンをクリック
▼サンプルファイル(002809.xls 14KByte)ダウンロード
サンプルファイルの「平均単価を求める」シートのB3セルには「=B1*B2」という売上高を求める計算式が入力してあります。
来店顧客数には「38」と入力してありますが、これはランチタイムの間に38人の顧客が来店するという予測を行ったとして決めた数値です。実際には店舗規模・営業時間・回転数などからこの数値を予測する数値です。
上記のゴールシーク機能を使った操作を行うと、B2セルに「789.47368」という数値が入力され、その結果計算式の入力されていたB3セルは「30000」という目標値に指定した値が表示されます。
これは、もし顧客数が「38」であるなら、売上高を「30000」円にするために、平均単価を「789.47368」
円にすればいいということを表しています。
逆に平均単価が予測できて、そのときに目標の売り上げを達成するためには、何人の顧客が来店する
必要があるのか、という計算をしたいときもあるでしょう。
そんな場合はサンプルファイルの「顧客数を求める」のようなシートで、
[ゴールシーク]ダイアログの
[数式入力セル]欄に「$B$3」
[目標値]欄に「30000」
[変化させるセル]欄に「$B$1」
と入力します。
「顧客数を求める」シートの顧客平均単価には「920」という数字が入力されていますが、これは顧客一人当たりの単価が920円になると仮に決めた値です。実際には地域・グレード・顧客層・メニュー構成などから予測して決定する数値です。
「顧客数×平均単価=売上高」
という計算式が成り立ち、
左辺の「顧客数」と「平均単価」がわかっているときに右辺の「売上高」を求める
というのがExcelで一般的に行われる計算ですが、
右辺の「売上高」と、左辺の「顧客数」か「平均単価」のいずれかがわかっているときに、左辺のもう一方を求めるのがゴールシークなわけです。
ゴールシークの解説をしている書籍やWebサイトでは、IRR関数やNPV関数が使われた複雑な例が掲載されていることもありますが、そういった複雑な例ではよくわからないという方は、今回ご紹介したような、思いっきりシンプルな(ゴールシークを使うまでもないような)例で、まずはゴールシークになれていただくといいんじゃないかと思います。
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