『マンガでわかる Excel』監修:羽毛田睦土/漫画:あきばさやか/編集:リブロワークス p.167より
私は今、IF関数を(一応)使っているというレベルの方を対象とした、Kindle本を執筆しています。
それに伴い、さまざまなExcelの入門書を、あらためて眺めたり読んだりしています。
追記:11月17日に、執筆していたKindle本『もしかして、論理式がよくわからないままExcelを使ってませんか?: 条件付き書式はIF関数といっしょに理解しよう!』をリリースしました。
専門家と苦手な人の組み合わせ
その中でも、公認会計士の羽毛田睦土(はけたまこと)さんが監修した、あきばさやかさんの『マンガでわかる Excel』を、面白く読んでいます。
そもそも書籍は、何らかの専門性を持った人でなければ書けませんが、専門家なら誰でも書けるわけでもありません。
Excelであれば、Excelのことをまったく知らなければ、当然1冊の本を書きあげることは不可能です。しかし、Excelに詳しい人がExcelの入門書を書けば、入門者にとってわかりやすい本になるかといえば、そんなことはありません。
詳しい人には、入門者が何をわからないかがわからなくなっているためです。
この観点から、『マンガでわかる Excel』はよくできていると思うのです。
Excelが苦手なイラストレーターあきばさんが、Excelに詳しい羽毛田さんにExcelを習うというスタイルによって、入門者と専門家のバランスがいい具合になっていると感じます。
高く評価されているのが納得です。
複合参照は考えずに試してみる
私が特に気に入っているのは、複合参照について描かれたp.124です。
表計算ソフトの複合参照は、絶対参照がわかっている人にとっても、難易度は高いのが事実です。
複合参照は解説を聞いて即わかるようなものではなく、自分でとりあえずやってみて、(自信はないけれど)複合参照の数式が入力できて、それから解説を読むと納得できるという方が多いと私は考えてます。
このような複合参照について、「考えないで両方試してみるほうが早いよ」と明記しているのを素晴らしいと思います。
何かやった自己満足
日本の会社で少なからず起きている問題を描いてるな、と感じるのがp.167です。
見た目よりも表の構造のほうが大切だと説く羽毛田さんに対し「そこに自信がないから飾りたくなるんじゃないですか」という台詞。
本当に必要な仕事ではなく、自分が何かをやったという満足感のために、本来やる必要のないことをやってしまっている方は、少なくないと思うのです。
厳密には間違ってるp.164
そんな『マンガでわかる Excel』に、厳密には間違っている描写があったので、一応ツッコミを入れさせていただきます。
p.164です。
Excelの仕様を理解している方ならすぐわかるはずですが、わからない場合はマンガのようにA1:C1セルに「あいうえお」「かきくけこ」「さしすせそ」と入力してからA:C列の列幅を狭くしてみてください。
この部分、各コマを注意深く見ると、編集さんから修正指示があったものの間違った変更が行われてしまい、「う~~ん、マンガパートだから、まぁいいか……」となったような気もしています。
もちろん、解説パートでは正しく説明されています。
最終更新日時:2022-11-22 04:47
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