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対象:Excel2000, Excel2002, Excel2003, Excel2007

内部収益率を求めるIRR関数についてご紹介しました。

内部収益率を求めるには、IRR関数を使わない方法もあるのですが、その方法を理解するためには、IRR関数と正味現在価値を求めるNPV関数との関係を理解しておく必要があります。

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Excel 2007のIRR関数のヘルプには以下のような記述があります。
IRR 関数は、正味現在価値を返す NPV 関数と相互に関連しています。IRR 関数の計算結果は、NPV 関数の計算結果が 0 (ゼロ) であるときの内部利益率となります。

IRR関数にはじめて触れた方にとってはなかなかわかりにくい文章だと思います。

Excel上での計算をご覧いただくほうがわかりやすいでしょう。

▼サンプルファイル(003368.xls 33KByte)ダウンロード

サンプルファイルの、C3セルには初期投資額、C4:C6セルにはその投資の結果得られる1年目から3年目のキャッシュフローの値が入力してあります。

これらを元にIRRを求める数式が、C8セルの「=IRR(C3:C6)」です。

これは先日ご紹介したのとまったく同じ数式です。

このIRR関数の結果と、正味現在価値の関係を見ていただくために、C11:C17セルには「4.45%」から「4.51%」の値を入力し、D11:D17セルには正味現在価値を計算する「=NPV(C11,$C$4:$C$6)+$C$3」といった数式が入力してあります。

割引率が「4.49%」から「4.51%」の場合は、正味現在価値が微妙に赤字になっています。
割引率が「4.45%」から「4.48%」の場合は、正味現在価値が微妙に黒字になっています。

「4.48%」を指定したとき、D14セルの正味現在価値は「0」になっています。

IRR関数はこの「4.48%」を求めているのです。

このことがヘルプの

IRR 関数の計算結果は、NPV 関数の計算結果が 0 (ゼロ) であるときの内部利益率となります。
の意味です。

そしてIRR関数では、計算を何度も試行錯誤することで結果を出しています。

Excel 2007のヘルプには以下のような記述があります。
IRR 関数の計算には、反復計算の手法が使用されます。推定値を初期値とし、計算結果の誤差が 0.00001% になるまで、利益率の値を変えて反復計算が行われます。

サンプルファイルのD11:D17セルで正味現在価値計算をいくつも行っていますが、こういった計算を何度もやって、正味現在価値が「0」になる割引率を計算しているのです。

以上のことがわかると、IRR関数を使わずにIRRを求める方法が見えてきます。

正味現在価値を計算する数式から、試行錯誤すればいいのです。

その具体的方法は後日別途ご紹介します。

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