財務関数の一つPMT関数についてご紹介してきました。
「元利均等返済のうち元金部分がいくらかを計算するにはどうしたらいいのでしょう?」
というご質問をいただくことがあります。
PMT関数で計算される支払額は、毎回の返済額が一定の、元利金等返済の返済額になります。
返済額がはじめから最後まで一定の元利金等返済は、返済計画を立てやすいといえば立てやすいのでしょうが、返済額のうち元金部分がいくらで、利息部分がいくらなのかがわかりにくいのが難点です。
そのために先のようなご質問をいただくわけで、特に住宅ローンの繰り上げ返済を考えようとしているような方が、「Excelで元金返済額だけ計算できるんじゃないだろうか」といった疑問を持つことが多いようです。
PMT関数は、あくまでも元利金等返済の返済額を計算する関数で、元金部分だけの計算をするには別の関数を利用する必要があります。
※B2セルに利率(年利)、B3セルに期、B4セルに期間、B5セルに借入額(現在価値)が入力されていて、毎月返済するときに、B6セルに元利均等返済の元金部分(元金支払額)を計算する例 B6セルに
「=PPMT(B2/12,B3,B4*12,B5)」
という計算式を入力する
元利均等返済の元金部分を計算するには、PPMT(Principal PayMenT)関数を利用します。
▼サンプルファイル(002736.xls 15KByte)ダウンロード
サンプルファイルでは、利率3%で、1,000万円のローンを、10年間で組んだときの返済について、1回目の返済時の元金部分と、最後にあたる120回目の返済時の元金部分を、B6・C6セルにそれぞれ計算しています。
参考までに、PMT関数で毎回の返済額をB7・C7セルに計算し、返済額から元金部分を引くことで、返済額のうち利息部分をB8・C8セルに計算しています。
PPMT関数の引数の大部分はPMT関数とよく似ていますが、元金支払額を求める「期」を指定する第2引数がPMT関数より多く、計6個の引数を指定します。
毎月返済するということで、第1引数の[利率]と第3引数の[期間]の単位をそろえるために、第1引数は年利を月数の「12」で割り「B2/12」、第3引数は年数に月数を掛け「B4*12」としています。
財務関数は自分の財布から出て行く額については、マイナス表示するのが仕様ですから、負の値で計算されます。
財務関数をほとんど触ったことのない方で、いきなりPPMT関数を理解しようとして難しいと感じた方は、まずはPMT関数やFV関数で財務関数に慣れていただくほうがいいと思います。
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