元金均等返済の利息分は、ISPMT関数で計算できることをご紹介しました。
このISPMT関数について
「ISPMT 期首 期末 どっち」
「元金均等返済 支払期日」
といった検索がこのサイトで行われていることがあります。
ISPMT関数の引数は
利率
期
期間
現在価値
の4つです。
一般的なExcelの財務関数の場合、期首払いなのか期末払いなのかを指定する、支払期日という引数があります。
しかしISPMT関数には、支払期日という引数がありません。ISPMT関数は、Excelで生まれたワークシート関数ではなく、Lotus 1-2-3 関数との互換性を保つため用意された関数だから、通常のExcelの財務関数と違う形をしていうのは仕方のないことなのでしょう。
引数で支払期日を指定できないために、ISPMT関数で期首・期末を指定するにはどうしたらいいのか、或いはそもそもISPMT関数で計算されているのは、期首払いなのか期末払いなのかを疑問に持つ方がいらっしゃることは納得できることです。
期首払いで計算している
結論からいうと、元金均等返済の利息計算をするISPMT関数の支払期日は、期首払いです。
これは、元金均等返済の意味や計算方法、期首払い・期末払いの違いについて理解していればちょっとしたテストをすることでわかります。
元金均等返済は、元利均等返済に比べると計算が単純です。
ExcelでISPMT関数を使わなくても、普通の電卓でも計算できてしまいます。
計算を簡単にするために、単純な数字で考えてみます。
年利12%で、120万円の借金をして、毎月返済の12回で完済する例を考えてみます。
年利12%で12か月で完済するので、毎回返済時の利息は、残債(まだ返済していない元本)に12%÷12か月の1%を掛け算することで求められます。
元金均等返済ですから、元本返済額は120万円÷12回の10万円で固定です。1回返済するごとに残債は10万円ずつ減っていくわけです。
まず1回目の返済のときを考えてみます。
期末払いであれば、
1回目の返済時の利息は、
まだ元本がまったく減っていないわけですから
「120万円×1%」の「120000円」になるはずです。
期首払いであれば、
1回目の返済時の利息は、
期首に1回分返済した残債に対してかかると考えられ
「(120万円−10万円×1)×1%」の「110000円」になるはずです。
ISPMT関数
「=ISPMT(1%,1,12,1200000)」
と指定した場合は
「-110000」
となります。
期首払いを想定した計算と同じ結果です。
次に最後の返済のときを考えてみます。
期末払いであれば
12回目の返済時の利息は、
残り1回分の返済額に対して利息がかかると考えられ
「(120万円−10万円×11)×1%」の「10000円」になるはずです。
期首払いであれば
元本は返済済みになるので
12回目の返済時の利息は、
「(120万円−10万円×12)×1%」の「0円」になるはずです。
ISPMT関数に
「=ISPMT(1%,12,12,1200000)」
と指定した場合は
「0」
となります。
これも期首払いと同じ値です。
つまりISPMT関数は期首払いの元金均等返済の利息分を計算しているのです。
ISPMT関数で期末払いの元金均等返済の利息額を計算するにはどうしたらいいのか、ISPMT関数を使わずに元金均等返済の利息額を計算する方法などについて、近日中に別途ネタを公開させていただきます。
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