元金均等返済の金利計算を行うISPMT関数についてご紹介しました。
財務関数についてしっかり理解しようとしている方から、
「ISPMT関数の引数はなぜ4つしかないのでしょうか?」
というご質問をいただくことがあります。
住宅ローンを組んで、返済のことを真剣に考えたことのある方なら返済方法には
「元利均等返済方式」と
「元金均等返済方式」が
あることをご存じなはずです。
元利均等返済は、返済開始から満了まで、元金と利息の合計を均一に等しく返済する方法で、毎月の返済額が一定です。
元金均等返済は、返済開始から満了まで、元金を均一に等しく返済する方法で、返済額のうち元金部分が一定で、利息部分は返済が進むにつれ少なくなるので、毎月の返済額は徐々に少なくなっていきます。
一般的に同じ金額を借りた場合、元金も利息も含んだトータルの返済額は、元金均等返済方式のほうが少なくて済みます。
Excelの財務関数のうち、
元金均等返済の金利計算を行うのが、ISPMT関数で、
元利均等返済の金利計算を行うのが、IPMT関数です。
で、
元金均等返済の金利計算を行うISPMT関数の引数は、
- 利率
- 期
- 期間
- 現在価値
元利均等返済の金利計算を行うIPMT関数の引数は、
- 利率
- 期
- 期間
- 現在価値
- 将来価値
- 支払期日
似たような関数で
元利均等返済の元金計算を行うPPMT関数の引数は、
- 利率
- 期
- 期間
- 現在価値
- 将来価値
- 支払期日
財務関数では似たような計算を行う関数の引数は、とても似ていたり、ほとんど同じであることが多いです。
元利均等返済の計算を行うIPMT関数とPPMT関数は、引数の数も引数の内容もまったく同じです。
この原則からすれば、返済方式の違いはあれ、金利計算を行うという意味では同じISPMT関数の引数は、IPMT関数と同じであるほうが自然です。
このことに気付いた方が「ISPMT関数の引数はなぜ4つしかないのか」
という疑問を持つわけです。
ISPMT関数が、
Lotus 1-2-3 関数との互換性を保つため用意された関数だから
Office Online上のヘルプでISPMT関数を調べると
「この関数は、Lotus 1-2-3 関数との互換性を保つために用意されています。」
としっかり明記されています。
Lotus 1-2-3のISPMT関数が
- 利率
- 期
- 期間
- 現在価値
...とここまで書いて逆に気になってきたのですが、1990年頃リリースされていたLotus 1-2-3にIPMT関数やPPMT関数に該当する関数って、そもそも存在してなかったんでしょうか?
もし存在していたのなら、ExcelのIPMT関数やPPMT関数もLotus 1-2-3に合わせてるはずで、一般的に関数を作るときのプログラマの思考では、似たような関数は同じような引数で設計するはずですから、Lotus 1-2-3のIPMT関数やPPMT関数は、ISPMT関数と似ている方が自然なわけで...。
???
1990年頃のLotus 1-2-3の、元利均等返済関連の関数についてご存じの方がいらっしゃれば、是非ご一報ください。
よろしくお願いします。
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