「エクセル 計算結果が負の数だったら空白」
「エクセルで計算結果がマイナスの時表示しない方法」
といった検索が行われていることがあります。
Excelで計算を行った結果が、マイナスの値・負の数値だったら何も表示しない、空白を表示する方法を探している方による検索です。
こういった検索を見るたびに
「こういう検索をする方が、計算結果というキーワードを入れないようにしてあげるには、どうすればいいのだろう?」
といったことを考えてしまいます。
ネットの向こう側にいる方に、私のこの思いを伝えることはなかなか容易ではありませんが、とりあえず、「マイナスのときに値を表示しない方法」「計算結果が負の値のときには値を表示しない方法」を、ご紹介しておきます。
いくつかの方法が考えられますが、書式設定だけで対応する方法と、IF関数を使って処理する方法が代表的なものでしょうか。
マイナスのときにセルに数値を表示しないようなユーザー定義書式設定は以下の手順でできます。
※D2セルにマイナスのときに数値が表示されないようなユーザー定義書式を設定する例 D2セルを選択しておいて
[Ctrl]キー+[1]キーを押す
↓
[セルの書式設定]ダイアログ
−[表示形式]タブを選択
↓
[分類]欄で
「ユーザー定義」を選択
↓
[種類]欄に
「0;""」と入力
↓
[セルの書式設定]ダイアログ
−[OK]ボタンをクリック
ユーザー定義書式では「;」(セミコロン)で区切りながら、
正の値
負の値
「0」(ゼロ)
文字列
の表示形式をそれぞれ指定できます。
「0;""」と指定したときは、「;」の前「0」が正の値と「0」の表示形式、「;」の後「""」が負の値の表示形式を指定していることになります。
「;」の後「""」は、「"」(ダブルクォーテーション)2つで、何も表示しないという意味です。
この方式のメリットは、数式自体はシンプルな形で済むことです。
デメリットは、ユーザー定義書式を設定してマイナスの値が表示されなくなったセルを、他の計算式の中で簡単には使えないということです。マイナスの値をセルに表示していないだけで、値としてはセル内に存在しているわけですから、単純に計算でこのセルを参照すると人の目には間違った計算結果が返されることになります。
もう一つは、IF関数で処理する方法です。
※D2セルにA2セルからB2セルを引き算する数式を入力して、マイナスのときには値を表示しないようにする例 D2セルに
「=IF(A2-B2<0,"",A2-B2)」
という数式を入力する
IF関数を普段使い慣れている方には、まったく難しくない計算式でしょう。
第1引数「A2-B2<0」で「A2-B2」が「0」より小さいかを調べて、その結果がTRUEのとき(「A2-B2」が「0」より小さい負の数のとき)に第2引数「""」、第1引数「A2-B2<0」の結果がFALSEのとき(「A2-B2」が「0」以上のとき)に第3引数「A2-B2」が、それぞれ返されます。
この方式のメリットは、このセルを他の計算式の中でも使えるということです。デメリットは、先のユーザー定義書式による方法よりも数式が複雑になるという点です。
結局、そのマイナスの値を表示しないようにしたセルを、他の数式で利用するのかどうかが、どの方法を利用するのかが、どの方法を採用するのかの一番のポイントになるでしょう。
▼サンプルファイル(003924.xls 28KByte)ダウンロード
サンプルファイルの、「ユーザー定義書式」シートのD2:D3セルにユーザー定義書式を使った例、「IF関数」シートのD2:D3セルにIF関数を使った例を作成してあります。
確認のため、C2:C3セルには「=A2-B2」という数式を入力し、C5:D5セルには「=SUM(C2:C3)」という数式を入力して合計を計算しています。
「ユーザー定義書式」シートのD5セルに望ましくない結果が表示されていることなどを、ご確認ください。
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