Excelを、ただの表を作るための「表ソフト」としてではなく、「表計算ソフト」として使いこなすためには、絶対参照とIF関数の理解が必須だと、私は考えています。
絶対参照が使えなければ、同じ計算式を何度も入力しなくてもコピーで済むというメリットを享受できなくなります。
IF関数がちゃんと理解できていなければ、何らかの条件に応じて処理を切り替えるといったことが、できなくなってしまいます。
この重要なIF関数を、ある程度使えるようになった方から
「IF関数で複数の条件を指定したいのですが...?」
「IF関数で複数条件を指定するにはどうしたらいいのでしょう?」
というご質問をいただくことがあります。
この質問の中で出てくる
「複数条件」
という表現が意味しているものは、実は大きく分類して2つのパターンがあります。
一つは、本当に条件を複数指定したい場合、
もう一つは、厳密には複数条件というよりも、分岐を複数にしたい場合です。
パソコン講習会などでは、複数条件よりも複数分岐のほうを先にご紹介することが多いでしょう。
IF関数が理解できていれば、例えば、テストの点数が80点以上のときに「A」、80点未満のときに「B」と表示することは可能でしょう。
次に目指すべきは分岐を複数にして、
80点以上は「A」
80点未満60点以上は「B」
60点未満は「C」
と表示する計算式を作れるようになることです。
※A2セルにテストの点が入力されているときにB2セルに、80点以上は「A」80点未満60点以上は「B」60点未満は「C」と表示する例 B2セルに
「=IF(A2>=80,"A",IF(A2>=60,"B","C"))」
という計算式を入力する
80点以上は「A」
80点未満は「B」
と表示するなら
「=IF(A2>=80,"A","B")」という数式です。
80点未満の条件を更に分岐して、
60点以上は「B」
60点未満は「C」
という表示が行われるようにするには、先の
「=IF(A2>=80,"A","B")」という数式を修正すればいいのです。
「B」の表示を行っている部分を
「IF(A2>=60,"B","C")」
とすれば
60点以上は「B」
60点未満は「C」
と表示されます。
「=IF(A2>=80,"A","B")」の「"B"」の部分を
「IF(A2>=60,"B","C")」にしたのが
「=IF(A2>=80,"A",IF(A2>=60,"B","C"))」
という数式の意味です。
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