7月9日(水)19時30分から行われた、AMN Blogger Meeting「基礎から学ぶ資産形成〜純金&プラチナ投資」に参加させていただきました。
山崎元さんは、著書『「投資バカ」につける薬』の中で、
『たとえ話をすると、金の現物は「まったく働こうとしない美人の奥さん」のようなものです。』(P.215)
と書いてらっしゃいます。
山崎さんの主張をいつも全面的に受け入れているわけではありませんが、この
「金の現物=働かない美人の奥さん」
という比喩はとても同意していました。
今回のBlogger Meetingに参加するまでは。
具体的には以下のような疑問を私は持っていました。
- なぜ、今、コモディティなんだろう?
- 利息も配当もない運用商品を、どうやってすすめるんだろう?
- ETFや先物ではなく、なぜ現物なのだろう?
「働かない美人の奥さんも、使い方次第でありなのかも。。。」
という気持ちもわいてきています。
なぜ、今、コモディティなのだろう?
CFP岩永慶子さんが強調してらっしゃったのが、
「面白くないけど分散運用しなさい」
という考え。
(岩永さんは「投資」という表現を使ってらっしゃいましたが、私個人的に「投資」という表現にどうも抵抗感があるので「運用」とさせていただきます。)
分散運用の一つの手段として、金・プラチナの現物積立があるという位置づけです。
そもそも分散運用の基本として、
日本株を持ってるなら外国債券を、
外国株を持ってるなら日本債権を、
といった考えがあります。
株と債券という運用商品としての性格の違い、為替変動のリスクを打ち消しあう効果を狙ったものですが、ここ数年は円安で日本株高となるようになってしまい、日本株と外国債権を合わせ持つことのリスクヘッジ効果が減ってしまっています。
そこで新たなリスクヘッジの手法として、従来の運用商品との相関が低い運用対象を入れてはどうかということです。従来の運用商品との相関が低い運用対象として、コモディティがあるとの位置づけです。
ちなみに日経225と金の相関係数は「-0.314」ということなので、弱い逆の相関関係があると言っていいでしょう。(日経225が安いときに金は高くなりやすい傾向がややある、逆に日経225が高いときに金は安くなりやすい傾向がややある、といった意味です。)
利息も配当もない運用商品を、どうすすめるんだろう?
利息も配当もないという点については、CFP岩永さんがプレゼンの後半に触れられていました。
プラチナの場合、プラチナを田中貴金属工業さんに貸して、その貸付利息を得るという仕組みもあるとのことです。(残念ながら今のところ金にはこういった仕組みはないようです)
田中貴金属工業さんも、金の現物のデメリットとして
「金利がつかない」
ということは正直におっしゃってました。
そもそも本気で悪意のある業者ならば、こういうデメリットには触れないでしょうから、好感度アップです。
このことをデメリットとしてしっかり認識してらっしゃるので、遠くない将来、プラチナで行われている貸付利息を得る仕組みが拡充される可能性だって、もしかしたらあるかもしれません。
ETFや先物ではなく、なぜ現物なのだろう?
これは、今回Blogger Meetingの現場に行くことによって、解決されました。会場で、地金やコインの本物が並べられていたことによって。
モノを実際に見たり、触れることによって、ヒトはやっぱり影響を受けてしまいます。
金やプラチナを運用対象として取り入れるとしても、各種取引コストや期待収益から考えると、現物よりETFや先物に、歩があると私は思っていました。
しかし、現物は実際のモノを身近におくこともできるのです。
ETFや先物は所詮データのやりとりだけですが。
モノの持つ力というのは、生身の人間にとって抗いがたいものがあります。
今回Blogger Meetingの現場で、地金やコインがずらっと並べられているのを見て、その重さを実感させていただくと、心の中に揺らぐものがあるのです。ゼロハリにプラチナが収まってる姿なんて、正直、ちょっとカッコイイかも、などと思ってしまったりします。
「まったく働こうとしない」けれど「美人の奥さん」のような存在が身近にあるというのも、悪くないように思えるのです。現物の輝きを見て重さを実感すると。
こういうものが身近にあると、
「よーっし!」
「がんばろっ!」
なんて気持ちがわいてくる可能性を、私は否定できません。
もし私が今回ご紹介いただいたような運用商品に手を伸ばすとしたら、配当も利息もないし、過去200年の実質トータルリターンが決して魅力的でないことも納得した上で、資産の一部を、コインなり地金なりの現物を、身近においておくという形でならありかも、という気がしてきています。
運用商品としての魅力より、そのモノが持つ力に効用を期待し、そのモノがたまたま運用商品としての性格も持ち合わせていることに期待する、という考えでしょうか。
贈与の件
CFP岩永さんが、今回のような商品を使って控除額以下の贈与を行うといいかも、といったこともお話しされていましたが、FPのはしくれとしてちょっと注意が必要だと感じたのでフォローを。
積立商品を使って贈与を継続すると、定期贈与とみなされ、将来贈与した総額に対して贈与税がかかったり、相続税が発生した時には生前贈与加算が行われる可能性が、否定できないと思うのです。
もし積立商品を使って相続税対策などを考えるのであれば、相続税に詳しい税理士さんに事前にしっかり相談されることをおすすめします。(あえて贈与税控除額をわずかに超える贈与を行って少しだけ贈与税を納税したり、一年ごとに贈与が完結していることを証明できるようにしておくことを推奨する税理士さんが多いんじゃないかと、私は想像します。)
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