ベネッセコーポレーションの、小学生向け進研ゼミ「チャレンジタッチ」のタブレットPCを試用させていただき、チャレンジタッチには、大きく分類すると以下の3つの役割・機能があることを実感しています。
- デジタル教材
- 学習の継続を支援するツール
- 学習プロセスをリサーチするツール
デジタル教材としてのチャレンジタッチは、これからまだまだ進化していくことを感じさせてくれるものです。
学習継続支援ツールとしてのチャレンジタッチ
どんな学習でも、一番大切なことは、結局のところ、学習者が地味な努力を継続することです。
誰に習おうが、どんな教材を使おうが、学習者が地道な努力を積み重ねられなければ、学習の効果は得られません。
この学習の継続をいかに支援するか、というのは進研ゼミ・チャレンジに限らず、通信教育の抱えるもっとも大きな課題です。
通信教育を開始したばかりの頃は熱心に取り組んでいたものの、数週間から数か月が経過すると教材がただ溜まるだけになってしまっているご家庭は少なくないはずです。
チャレンジタッチについて知ったときに、学習の継続を支援する仕組みが、タブレットPCを使うことでいろいろと組み込まれているのだろうと、想像しました。
ゲーミフィケーション
当然のようにゲーミフィケーションが取り入れられています。
一つの単元を学習すると、それに応じてタブレットPC内に疑似的なカードを貯めたりできるような、ゲーム的要素がふんだんに取り入れられています。
ここは親御さんの好みが分かれるところだと感じます。
勉強中の人数表示機能
チャレンジタッチでは、タブレットPCの画面に下図のように現在学習中の人数が表示されます。
通信教育の持つ、一人で黙々と頑張っている感を軽減してくれる仕組みです。
他にも勉強している仲間がいることを感じさせるような仕組みが、将来的に少しずつ組み込まれていく予感がします。
採点の視覚化
今回のモニターでは、その機能を実際に見ることはできませんでしたが、採点の視覚化というのもなかなか面白い試みだと思います。
自分の提出した答案に丸がつけられたり、コメントが書かれたりする様子が動画で見られる仕組みです。
元々チャレンジタッチを利用してらっしゃっていた、日曜アーティストの工房さんの記事広告で知った機能です。
数か月に一度の手書きテストを郵送すると、赤ペン先生の採点やコメントが戻ってくるのですが、その結果をタブレット端末で閲覧することができます。自分で書いた手書きの回答が、目の前で採点されていく演出。赤ペンで丸印が描かれているアニメーションとか、実際に赤ペン先生が書いている感じが面白いです。
自分の提出した答案に丸がつけられたり、コメントが書かれたりする様子が動画で見られるというのは、なかなか楽しい体験のように感じます。
メール通知機能
もっともeラーニングの良さが表れているのは、メール通知機能でしょう。
授業と問題で構成された1セットの学習が終わると、親御さんにメールするかどうかを確認させる画面が登場します。
勉強したことを親にメールで連絡する機能です。
子どもからメールを送信した後の流れが、今回のモニターだけではよくわからなかったのですが、チャレンジタッチを使ってらっしゃっていたHertlogicさんの広告記事によると、メールを受け取った親からメッセージを送る機能もあるとのことです。
このメールには「お子さまの取り組みをほめる」というボタンがあって、これを使って、子供のチャレンジタッチ端末にメッセージを送ることができます。
子ども側からのアクション(メール)に対して、何の反応もないと、メールを送るモチベーションも下がってしまうはずなので、ちゃんと反応を返せる仕組みがあるのはいいことだと感じます。
チャレンジタッチの向き不向き
タブレットPCを使う小学生向け進研ゼミ・チャレンジタッチには、従来からの紙媒体を使ったチャレンジでは実現が容易ではなかった、学習の継続を支援する仕組みがたくさん取り入れられています。
紙のチャレンジよりも、チャレンジタッチのほうが優位な点です。
この学習の継続を支援する部分に注目すると、自宅で勉強をする習慣をなかなか作れないお子さんのほうが、チャレンジタッチは、より向いているという気がしてきます。
なお、チャレンジタッチで自宅学習の習慣がついた場合に、お子さんがタブレットPCに向かっている時間が長くなる時期があるはずですから、その状態に不快感を感じない家庭でないと、チャレンジタッチは勧め辛いと感じます。