ベネッセが、新しいサービスをはじめるということで2月7日(土)に記者発表会を開催し、ブロガー枠で私も参加させていただきました。
ベネッセホールディングスの原田泳幸会長兼社長が直々に発表したのは、明日2月17日から開始するBenePa(ベネパ)という新しいサービスです。
幼児から高校生を対象にした、パソコンを使って、ワンコイン(500円)で受講できるeラーニングで、支払にはコンビニ(ローソン)で販売される下図のようなプリペイドカードを利用するとのことです。
「コンビニで買える こどもちゃれんじ・進研ゼミ」というわけです。
私にはよくわからない部分がたくさん
方向性としては間違いなく「あり」だと感じます。
ですが、この新サービスについて私にはよくわからない部分がたくさんあり、なんだかモヤモヤしています。
まず、この新しいサービス・ベネパを、ベネッセがどう育てていこうとしているのかがわかりません。
ベネパは教育サービスではありますが、私企業が行うものですから利益を目指すのは当然のことです。利益があるからこそ、サービスもより良くなっていくはずです。
利益を上げるサービスとして考えたときに、ベネパがどの方向を目指そうとしているのかが、よくわかりません。
ベネッセの稼ぎ頭である進研ゼミへ乗り換えてもらうことを目的としたフロントサービスなのか、ベネパだけでそれなりの利益を上げることを目指しているサービスなのかがよくわかりません。
発表資料は、どちらとも読むことができます。
進研ゼミへの入り口としてのサービスならば、住所・氏名登録不要ということを特長の第一に掲げているベネパから、
住所・氏名を必要とする進研ゼミへの乗り換えが、どれくらい起きるのか・起こせるものなのかが、私にはよくわかりません。
記者発表の中での簡単なデモと、発表後に他のブロガーさんが操作しているところを拝見しただけですが、(現時点では)作り込みが甘いと感じます。
サービスとしてある程度の評価を得られなければ、進研ゼミへの乗り換えも、ベネパで利益を生む源泉となるプリペイドカードの追加購入もおきません。
ベネパだけで利益を上げることを目指したサービスとして考えると、スタート時点ではコンテンツの量が少ないと感じます。
ベネパが、スマホやタブレットPCでも利用できるのならば、プロモーションで「ベネパ」という単語を知った高校生や、主要駅で配布される無料IDを手にした中学生が、
試しに受講してみようとする姿をイメージすることができます。しかしパソコンでしか受講できないベネパの場合に、どれくらいそのようなお試し行動がとられるものなのか、私にはよくわかりません。
コンビニで、学習用コンテンツのプリペイドカードを購入するという行動が、どれくらい継続的に行われるものなのかも、よくわかりません。
質疑応答の場面で原田さんは、ベネパの売れ行き見込みについて未知数であるということを仰っていました。
ベネッセとしても、ベネパをどう育てていくのか、手探り状態ということなのでしょうか。
ベネパは教育界のマクドナルドになるのか
最近読んだ『大格差 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』の中に、オンライン教育について以下のような記述があります。
マクドナルドが成功したのと同じ理由で、オンラインスクールの利用も広がっていきそうだ。ビッグマックが高級レストランの料理ほどおいしくないことはほぼ誰もが知っているが、それでもマクドナルトは大きなビジネスに成長したのである。
原田さんが、日本マクドナルドのCEOであったことを念頭に置いて「オンラインスクール」を「ベネパ」と読み替えると、なかなか面白い記述です。
私にはよくわからない部分がたくさんあってモヤモヤしていますが、方向性としてはありだと思うので、コンビニで買える こどもちゃれんじ・進研ゼミ = ベネパが、マクドナルドのように(最高というわけではないけれど)受け入れられていくのかどうか、2月17日以降の動向に注目したいと思っています。
記事広告を読んで(2月28日 追記)
上記の記者発表とは別に、お金をいただいてベネパの広告として記事を書かれたブロガーさんが複数いらっしゃいます。そんな記事広告を読んで、少し見えてきたことがあるので、追記しておきます。
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上記のお三方は、教材としての作りの甘さやスマホやタブレットPCに対応していないことなど、私のモヤモヤと近いものを感じてらっしゃるようです。報酬をいただいて書いている以上、表現には気を使ってらっしゃいますが、ベネパに対する疑問が垣間見えます。
これに対して以下のお三方は、疑問に感じるところはありながらも、お子さんと一緒に勉強するツール、お子さんの学習を見守るツールとして評価してらっしゃいます。
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ベネパを完結した学習システムとして期待すると失望してしまうけれど、特にお父さん・お母さんがパソコンに慣れているような場合に、総復習用教材・ニガテ分野用教材の一つとして、お子さんと一緒に勉強するツール、お子さんの学習を見守るツールとして使うというのは、まずは有効なのかもしれない、と思い始めています。
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