『いちばんやさしいExcel VBAの教本』より(図版作成:リブロワークス)
学習項目の概略を最初に提示することの大切さ
どのような学習対象でも、教える立場にある人は、これからどのようなことを学習するのかという概略を、学習する人に伝える必要があります。
特に最初期に提示する概略は、その分類が多すぎてはダメです。
「学習項目は79個に分類できます」では、意味がありません。
せいぜい3つか4つ、最大でも5つに絞ってあげなければならないと、私は考えています。
東大生が書いたつながる英文法
例えば、英文法の学習項目は、非常にたくさんあります。
たくさんの学習すべき項目を解説している英文法の入門書・基本書が、数多く出版されている中で、特に一冊目の入門書として優れているのは『東大生の書いたつながる英文法』です。
たくさんの文法学習項目を、大胆に「英文の幹」「飾り」「その他」の3つに分類してしているのが素晴らしいと感じます。
入門者のExcel VBA学習項目
Excel VBAで学習すべきことも、英語ほどではありませんが、結構あります。
特にプログラミング未経験者がExcel VBAを学習する場合、最初に学習すべき項目も、大きく3つに分類できます。
- VBEの使い方
- プログラミングに共通する考え方
- オブジェクトを取得・操作するコード
以上の3つです。
それぞれの内容は以下のとおりです。
VBEの使い方
VBE(Visual Basic Editor)とは、ExcelやWordやPowerPointなどに付属する、マクロを作るためのツールです。
プログラミングに特有の機能がありますが、使い方自体は決して難しくありません。
Wordのほうがよっぽど難しいと、私は感じています。
プログラミングに共通する考え方
プログラミングに共通する考え方とは、プログラミングの経験のある方にはおなじみの、演算子や変数、制御構文などです。
Excelのマクロ記録機能では作られないタイプのコードで、実務で使えるExcelマクロを作るためには、ヒトが必ず学習しなければならない部分です。
オブジェクトを取得・操作するコード
ExcelマクロとはExcelに作業してもらうための作業手順書で、「Excelの要素を〇〇しなさい」といった指示が、時間順に書かれています。
Excelマクロを作るためには、Excelの要素(オブジェクト)を取得・操作するコードについても学習が必要です(ちなみに、Excelのマクロ記録機能で作られるのは、この「オブジェクトを取得・操作するコード」だけです)。
「オブジェクトを取得・操作するコード」を理解するには時間がかかりますが、マクロ記録を行って作られるコードを参考にしながら、実際に使えるマクロを作りながら、学習を継続するのが現実的な方略です。
ビジネスパーソンのためのExcelマクロ入門講座
2011年に「ビジネスパーソンのためのExcelマクロ入門講座」を作ったときに、入門者のExcel VBA学習項目が3つに分類できることを、必ずお伝えしなければならないと思っていました。
入門者のExcel VBA学習項目が3つに分類できることを最初に知っておけば、Excel VBAの学習を進める中で、途中で何を学習しているのかわからなくなってしまう事態を避けられると考えました。
いちばんやさしいExcel VBAの教本
2018年1月17日に発売される『いちばんやさしいExcel VBAの教本』でも、この分類を利用しています。
『いちばんやさしいExcel VBAの教本』より(図版作成:リブロワークス)
『いちばんやさしいExcel VBAの教本』では、「VBEの使い方」と「プログラミングに共通する考え方」を主に前半のChapter 7までで学習し、「オブジェクトを取得・操作するコード」についてChapter 8以降で学習するように構成しています。
最終更新日時:2018-09-16 13:47
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