税理士でMicrosoft MVP for Excelの井ノ上陽一さんが主催しているブログの勉強会で、「インストラクターのネタ帳」のネタを、どうやって探し続けてきたのか、という内容でお話しをさせていただきました。
その勉強会の内容を元にした記事を書いています。
3C分析のスイートスポットをみつけるために、潜在読者・顕在(途上)読者・顕在読者の求めるものを調べる3つのツールを使ってきたということ、この3つのツールでみつかる検索キーワードはウォンツ(表現)であってニーズ(真意)ではないということ、3つのツールの概略と、多くの方にマネしていただきやすそうな期間を限定して検索キーワードを眺めることからネタ探しを開始する方法、ページを限定して検索キーワードを探す方法までを記事にしました。
スイートスポットを拡大する方法のうちどれなのか
ネタ探しの方法としてご紹介した、
期間を限定して検索キーワードを眺めること
ページを限定して検索キーワードを探すこと
は、いずれも自分のできる領域を読者の求める領域に重ねていくことで、スイートスポットを拡大するパターンでしょう。
この方法を使って記事を書き、アクセス数が増えていく時期は、アクセス数の伸び自体が楽しかったりします。
ですが、それがつまらなくなってしまう時期が、いずれやってくるような気がします。
私はそうでした。
誰かに必要とされることを行うことは、人にとって、基本的に楽しかったり満足感を得られたりするものです。ですが、それがベースになっていると、ふと、醒めてしまうこともあるように思います。
上記の2つの方法は比較的マネしていただきやすいために、先にご紹介しましたが、これらの方法で作成した記事は、よく考えてみると実はスイートスポットではないものも、結構含まれているはずです。
たしかに、Customer(読者)が求めていてCompany(自分)にできることではありますが、Competitor(他の誰か)にもできること、に該当するものも多いはずです。
他の誰かにできることならば、あえて自分がやる必要はないのではないかと、私は思ってしまいます。
他の誰かにできることよりも、自分にしかできないこと・本当のスイートスポットを広げることのほうが、深い喜びをもたらしてくれます。
そのためには、自分のできる領域を、読者が求めていて、他の誰かにはできなさそうなところを意識しつつ広げていくのが一番だと、感じています。
私の場合
私の場合、そんなテーマが2014年5月現在、いくつか存在しています。
多くの方に理解していただきやすいのは、この半年ほどで急激に記事数を増やしたPowerPointマクロの記事でしょうか。
マクロを使うと楽にできるのではないかと思いながらも、PowerPointマクロの情報はExcelマクロに比べて圧倒的に少ないこともあって、自分でマクロを作ることのできない方は目先の作業をこなすために面倒なコピペを繰り返していたりします。
そんな中で、PowerPointマクロの情報を提供し続けることは有意義なことで、できる人が決して多くない現状、私のスイートスポットにかなり近いものだと考えています。
PowerPointマクロの記事を増やそうと決断した当初は、2014年5月現在の私より、PowerPointマクロについての知識が少なかったのは間違いありません。
それが、記事を書くというアウトプットを重ねることで、PowerPointマクロへの理解は確実に深まり、自分のできることを拡大していった実感が残っています。(更に、PowerPointマクロへの理解が深まることで、Excelマクロへの理解も深まったという側面もあります)
PowerPointマクロの記事を書くときに、例えば
「パワーポイント マクロ」
「PowerPoint vba」といったキーワードで検索する方の、ウォンツとニーズを探り続けていきました。
そういった検索をする人が、実務でどんな苦労があってマクロを欲しいと思っているのかを考え続け、記事を書き続けました。
ちなみに、こういった自分のできる領域を拡大する記事というのは、アクセス数がどれくらい伸びるのかについて、ほとんど気にならなくなります。
どうやってスイートスポットを探すのか・拡大するのか
で、この領域・スイートスポットをどうやって探すのか、です。
ブログを続けていられる方になら、自分が書いていて楽しいタイプの記事があるはずです。
そこからスタートすることだと考えています。
そんな楽しいタイプの記事を書くときに、勢いに任せていきなり書くのではなく、ニーズとウォンツを意識して書くのが近道ではないかと思っています。
カスタムレポート『キーワードごとのPV』で、これから書こうとする記事に関連しそうなキーワードで絞り込みどんな検索キーワードでアクセスがあるのか、或いは、これから書こうとする記事に関連した記事が既に存在しているのなら、カスタムレポート『タイトルごとのPV』『URLごとのPV』のセカンダリディメンションで既存の記事にどんな検索キーワードでアクセスがあるのかを調べます。
それらのキーワードから、読者のニーズを推測し、ウォンツとニーズを意識した記事を書くようにするのが近道だと思っています。
持続的イノベーションを行う
このシリーズ記事を読んでいただいた方の中には、goodkeyword.netで潜在読者のウォンツが調べられるのだから、google analyticsのログを見るよりも、潜在読者のニーズを満たすような記事を書けばいいのではないか、と感じる方がいらっしゃるかもしれません。
それが、できる方は、やっていただいてもいいでしょう。が、できない方のほうが多いような気がしています。
私にはできませんでした。
この方法というのは、自分のできる領域から遠い、下図のようなポイントをいきなり目指すことになります。
私は、この方法で記事を書こうとしても、書けないのです。
それよりは、下図のような自分のできる領域を、顧客の求める領域に少しでも拡大するような記事を書くほうに楽しさがあります。
それを続けることで、結果として自分のできる領域が拡大して、スイートスポットも拡大すると感じています。
自分のできる領域を、少しずつ拡大していく、いわば持続的イノベーション・カイゼンを行うほうがいいと考えています。
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