カーソルを文末や、段落末尾に移動するWord VBAのコードをご紹介してきました。
Word VBAにあまり慣れていない方は、これらのSubプロシージャで利用している、Selection.Collapseメソッドを単独で実行してみるとイイでしょう。
(Excel VBAでは見かけない)興味深い動きをするメソッドだからです。
ちなみに、Selectionオブジェクトに用意されているCollapseメソッドについて疑問を感じる方は少なくないようで、検索キーワード
「ワード vba Selection.Collapse」
「vbs Selection.collapse Direction:=wdCollapseEnd」
等で、このサイト『インストラクターのネタ帳』へのアクセスも時折あります。
範囲選択を解除してカーソルを先頭に移動するサンプル
以下のSubプロシージャを実行すると、範囲の選択状態が解除され、カーソルが選択範囲の先頭に移動します。
Selection.Collapse Direction:=wdCollapseStart
End Sub
Selection.Collapseメソッドの
引数Directionに、WdCollapseDirection列挙型に定義されている、定数wdCollapseStart(実際の値は1)を指定すると、
範囲の選択状態が解除され、カーソルが選択範囲の先頭(Direction:=wdCollapseStart)に移動します。
範囲選択を解除してカーソルを末尾に移動するサンプル
以下のSubプロシージャを実行すると、範囲の選択状態が解除され、カーソルが範囲の末尾に移動します。
Selection.Collapse Direction:=wdCollapseEnd
End Sub
引数Directionに、定数wdCollapseEnd(実際の値は0)を指定した場合には、範囲の選択状態が解除され、カーソルが範囲の末尾(Direction:=wdCollapseEnd)に移動します。
YouTube「Word VBAのSelection.Collapseとは」
00:00 はじめに
00:27 Selection.Collapse Direction:=wdCollapseStart のステップ実行
01:14 Selection.Collapse Direction:=wdCollapseEnd のステップ実行
ステップ実行を自分で行いましょう
上記のSubプロシージャを、WordとVBEの両方が見える状態にして、拙著『Excel VBAユーザーのためのWord VBA入門(1)』などで多用しているショートカットキー[F8]を使ってステップ実行してみてください。
Collapseという英単語には「つぶれる」「つぶす」といった意味があります。自分でステップ実行し、その様子を目の前で見ると、このメソッドの名前がCollapseとなっていることなどが納得しやすいのではないかと思います。
最終更新日時:2024-02-27 13:58
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