グラフは目的から分類すると、大きく2種類にわけることができます。
- 誰かに見せるためのグラフ
- 考える道具としてのグラフ
Excelでグラフが作成できるということは、後者の意味が非常に大きいわけで、その最たるものがピボットグラフなんでしょう。
通常、Excelのグラフはワークシートのセルデータとリンクしていて、ワークシート上でデータを変更すればグラフは更新されますし、逆にグラフの系列をドラッグすればワークシート側のデータが更新されます。
ところで、誰かに見せるためのグラフという側面を考えると、セルとリンクしている必要は、それほどありません。
むしろワークシート上のデータを変更することでグラフが簡単に変更されてしまうという、害悪もあるかもしれません。
ワークシート上のデータとリンクしていないグラフを作成することができますので、誰かに見せるためのグラフをよく作るという方は知っておくといいんじゃないかと思っています。グラフのデータ系列を選択
↓
数式バーをクリック
↓
[F9]キーを押す
↓
数式バーの表示が変化したことを確認後[Enter]キーを押す
複数のデータ系列が存在している場合、上記の操作をすべてのデータ系列に対して行うことで、ワークシートとグラフとのリンクが解除されます。
▼サンプルファイル(002003.xls 26KByte)ダウンロード
サンプルファイルでは、ワークシートとリンクされている通常のグラフと、リンク解除されたグラフとが作成してあります。
ワークシート上のデータを変更すれば、ワークシートとリンクされているグラフが変更されますが、リンク解除されたグラフでは何も変化しません。また、ワークシートとリンクされたグラフの系列をドラッグすれば、ワークシートのデータが変更されることも確認できるはずです。
リンクされているグラフで、例えば[東京]系列を選択すると、数式バーには
「=SERIES(Sheet1!$B$3,Sheet1!$C$2:$E$2,Sheet1!$C$3:$E$3,1)」
といった表示が行われます。
数式バーをクリックしてから[F9]キーを押すと、
「=SERIES("東京",{"4月","5月","6月"},{982,970,903},1)」
という表示になります。
これが上記の操作手順で行っている実際の操作です。
グラフオブジェクトに対して、セル参照を渡しているか、配列を渡しているかという違いと言っていいでしょうか。
以前、数式バーをクリックして[F9]キーを押すことで計算式を計算結果にできることをご紹介しましたが、同様の考え方をしているわけです。
誰かに見せるためのグラフを作ることが多い方は一度お試しください。
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