古くからWordを使ってらっしゃる方から、昔のWordにはレイアウト枠という機能があったはずですが最近はなくなったのでしょうか?とご質問をいただいたことがあります。
確かにWord 97では、メニュー[挿入]に[レイアウト枠]という項目があり、そのサブメニューに[横書き][縦書き]というコマンドが並んでいます。しかしWord 2000からはこのメニュー項目がなくなっています。
Word 2000のヘルプには以下のような記述があります。
テキスト ボックスとレイアウト枠のどちらも、文字列のコンテナとしてページに配置したり、サイズを変更することができます。以前のバージョンの Word では、グラフィックスの周りに文字列を回り込ませるのに、レイアウト枠を使用していました。今度のバージョンでは、最初に文字列をテキスト ボックスやレイアウト枠に挿入しておかなくても、どんなサイズや形状のグラフィックスでも、その周囲に文字列を回り込ませることができます。
古いバージョンのWordでは、図を入れたり凝った文書レイアウトにするようなときに、まずレイアウト枠を配置しておいて、そのレイアウト枠に図を入れたりしていたわけですが、最近のバージョンではその必要がなくなってきたのでメニューから削除されたということです。
しかしレイアウト枠という機能が完全になくなったわけではありません。
ドロップキャップを設定した場合は自動的にレイアウト枠が作成されます。
[テキストボックスの書式設定]ダイアログなどの[テキストボックス]タブには[レイアウト枠に変換]ボタンがありますので、これをクリックすることでレイアウト枠を作る(変換する)ことができます。
また、[フォーム]ツールバーの中には[レイアウト枠の挿入]ボタンがあります。
最近のバージョンではレイアウト枠を使わなければならないケースは少なくなっているわけですが、Word 2000のヘルプには「文字列またはグラフィックスに次の項目が含まれる場合は、レイアウト枠を使用します。」ということで、レイアウト枠を使わなければならないケースが挙げられています。
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脚注記号で指定されている脚注または文末脚注。
法律文書やアウトラインの箇条書きの項目や段落に番号を付ける AUTONUM、AUTONUMLGL、AUTONUMOUT などのフィールド、および TC (目次登録)、TOC (目次)、RD (参照ファイル)、および XE (索引登録) などのフィールド。
このヘルプを読んでいただければ、↑こういうときはレイアウト枠を使うのね、ということはご理解いただけるとして、実際のところレイアウト枠とテキストボックスの違いは何なのでしょう。
Wordで本文・レイアウト枠・テキストボックスに何らかの文字を入力していただいて、実験をしていただくとわかりやすいかもしれません。
メニューの[ツール]にある[文書カウント]というコマンドを利用すると、文書の文字数などをかぞえられます。このときレイアウト枠の中にある文字はかぞえられますが、テキストボックスなどに挿入されている文字はカウントされません。
つまり、レイアウト枠はWord文書の本文の一部ですが、テキストボックスは本文とは別モノということです。
そのためにそれほど多くはないかもしれませんが、ヘルプに記述されているような場合に、レイアウト枠を使用しなければならないということです。
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