拙著『いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本』P.123のワンポイントで、選択されているスライドやアクティブなスライドを表すオブジェクトを取得するコード「ActiveWindow.Selection.SlideRange」の解説を、少しだけ行っています。
『いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本』P.123より
このコード「ActiveWindow.Selection.SlideRange」で取得できるSlideRangeオブジェクトについて、補足しておきます。
SlideRangeオブジェクトをオブジェクトブラウザーで確認しましょう
拙著を参考にオブジェクトブラウザーを引くトレーニングを繰り返した方なら、SlideRangeオブジェクトも調べたはずです。
まだの方は、是非、調べてください。
オブジェクトブラウザーを調べれば、SlideRangeオブジェクトには、拙著Lesson 27で確認しているSlideオブジェクトと同じプロパティやメソッドが用意されていることに気づくのではないかと思います。
そして、
「SlideオブジェクトとSlideRangeオブジェクトは何が違うのだろう?」
といった疑問を持つはずです。
SlideRangeはSlideとSlidesの特徴を併せ持つ
SlideRangeオブジェクトには、Slideオブジェクトと同じプロパティ・メソッドがたくさんあるだけでなく、Slidesコレクションが持つプロパティ・メソッドも用意されています。
具体的には、SlideRangeオブジェクトにはCountプロパティとItemメソッドがあります。
コレクションではないSlideオブジェクトには、CountプロパティやItemメソッドは用意されていません。
そしてSlideRangeオブジェクトのItemメソッドは、既定メンバーでありSlideオブジェクトを返します。
SlidesコレクションのItemメソッドが既定メンバーで、Slideオブジェクトを返すのと同じように。
SlideRangeオブジェクトは、1枚のスライドを表すSlideオブジェクトと、プレゼンテーション内の全スライドを表すSlidesコレクションの特徴を併せ持ったオブジェクトです。このようなSlideRangeオブジェクトを取得するためのコードの一つが、拙著でご紹介している「ActiveWindow.Selection.SlideRange」です。
PowerPoint VBAの学習を始めたばかりの方にとって、SlideRangeは肚落ちし辛いオブジェクトだと思いますが、上述のポイントを頭に置いて、しばらくコードに向き合ってみてください。
最終更新日時:2020-03-29 13:43
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