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給与所得控除後の給与等の金額の計算−VLOOKUP関数

対象:Excel2000, Excel2002, Excel2003, Excel2007

先日、年末調整関連書類作成の第一歩:年調給与額の計算についてご紹介しました。

その続き「給与所得控除後の給与等の金額」の計算をご案内します。

実際の源泉徴収票では、「給与所得控除後の金額」に該当する値の計算です。

どう計算すればいいのかは、国税庁の配布している「年末調整の手引き」にしっかり記載されています。

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P.64「電子計算機等による年末調整」の「1給与所得控除後の給与等の金額の計算」の「(2)給与所得控除後の給与等の金額の計算」の表を、Excelの計算式にします。

▼操作方法:給与所得控除後の給与等の金額を計算する
※F3:H14セルに年調給与額ごとの乗率と減算値、D3セルに年調給与額が入力されているときに、D4セルに給与所得控除後の給与等の金額を計算する例

D4セルに
「=ROUNDDOWN(D3*VLOOKUP(D3,F3:H14,2)-VLOOKUP(D3,F3:H14,3),0)」
という計算式を入力

先日の年調給与額計算に比べると、今回の計算式は随分スッキリしています。

一番外側のRONDDOWN関数は、端数を切り捨てるための関数で、重要なのはROWNDDOWN関数の第1引数
「D3*VLOOKUP(D3,F3:H14,2)-VLOOKUP(D3,F3:H14,3)」
の部分です。

「電子計算機等による年末調整」の「1給与所得控除後の給与等の金額の計算」の「(2)給与所得控除後の給与等の金額の計算」の表の右側の列に
「A−650,000円」
「A×60%−2,400円」
「A×60%−2,000円」
といった記述がありますが、これをExcelの数式にしたのが
「D3*VLOOKUP(D3,F3:H14,2)-VLOOKUP(D3,F3:H14,3)」
です。

先日求めた年調給与額「D3」に、
該当する乗率「VLOOKUP(D3,F3:H14,2)」を掛け算して、
減算する値「VLOOKUP(D3,F3:H14,3)」をマイナスしています。

掛ける率の値と減算する値をみつけるために、VLOOKUP関数を使っています。

「VLOOKUP(D3,F3:H14,2)」は、第2引数:F3:H14セルから、第1引数:D3に該当する行を探して、第3引数に指定された「2」列目の値を取得しなさい、という指示です。

第4引数を省略しているので、第1引数に指定された値より小さい値の中から、最も大きい値で「F3:H14」から該当する値を取得してきます。

給与の総額が2,000万円を超えると年末調整は行わず確定申告する必要がありますから、ここでは計算対象外にしたいので、F14セルに「20000001」、G14:H14セルに#N/Aエラーを発生させるためNA関数を入力してあります。

(実は、Excel 2007ではネストできる階層が64階層まで深くなっているので、IF関数をネストして計算式にすることも可能ですが、可読性や保守性が悪くなるでしょうから今回ご紹介したようなVLOOKUP関数を利用するほうがいいでしょう。)

▼サンプルファイル(003365.xls 39KByte)ダウンロード

サンプルファイルの「2.給与所得」シートには今回ご紹介した計算式が入力してありますのでご確認ください。(「1.年調給与額」シートは先日ご紹介した年調給与額計算のワークシートです。)

このネタは、あくまでも「平成20年分 年末調整のしかた」に準拠して記述しています。将来、「所得税法別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が変更になった場合、その他所得税法関連法規が変更になった場合、上記の数式やVLOOKUP関数で参照する表を変更しなければならない可能性が高いことをご理解ください。

関連語句
nenmatsu chosei, year-end tax adjustment, tax payback, employment income, income tax, shotokuzei, japanese tax system,

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