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年調給与額の計算−IF関数・MOD関数

対象:Excel2000, Excel2002, Excel2003, Excel2007

経理関係のお仕事をしている方から
「年末調整関連の書類をエクセルで作れないでしょうか?」
といったご質問をいただくことがあります。

このサイトで
「年末調整 エクセル」
「源泉徴収票 エクセル」
といった検索が行われていることもあります。

税金の計算はちゃんと計算ルールがありますから、その計算ルールをExcelに落とし込めば、もちろんExcelで税金関連の計算をしたり、年末調整関連の書類作成は可能です。

年末調整関連の計算は、大きく分類すると以下のような手順で行います。

  1. 給与所得の計算
  2. 人的控除額の計算と減額
  3. 物的控除額の計算と減額
  4. 税額の計算

このうち今回は最初の工程「給与所得の計算」の一部「年調給与額の計算」をご紹介します。

実際の源泉徴収票でいうなら、「支払金額」から「給与所得控除後の金額」を計算する工程の一部です。

まず、
所得税は、収入(売上)に対して課せられる税金ではなく、収入から経費をマイナスした所得(利益)に対して課せられるものです。

会社員の方などの収入(売上)に該当するのが額面の給与(いわゆる税込年収)で、経費に該当するのが「給与所得控除額」、利益に該当するのが「給与所得」です。

給与所得は額面給与から給与所得控除額をマイナスすればいいのですが、コンピュータで計算するためにはちょっとした調整が必要です。これが「年調給与額の計算」です。

国税庁で配布されている「年末調整のしかた」というパンフレットの、P.64「電子計算機等による年末調整」の「1給与所得控除後の給与等の金額の計算」の「(1)年調給与額の算出」の表を、Excelの計算式にします。

何をやっている計算かというと、「所得税法別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」(給与所得控除後の金額の算出表)を使った計算と、誤差が生じないようにするための計算です。

給与所得の計算は法令上、所得税法別表第五により給与所得の金額を求めることになっていて「給与所得控除後の金額の算出表」を使って計算するのですが、その算出表の中で161万9,000円以上660万円未満の部分は、1,000円・2,000円・4,000円刻みで作成されています。

そのために、給与の総額をそのまま給与所得控除額を計算する数式に入力すると、算出表から給与所得控除後の給与等を求めたときとで誤差が生じてしまいます。

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その差が生じないように、年末調整計算に使う給与「年調給与額」を計算する必要があるのです。それが今回ご紹介する計算です。


▼操作方法:年調給与額を計算する
※C2セルに給与の総額が入力されたときにD3セルに年調給与額を計算する例
D3セルに
=IF(C2<=1618999,C2,
 IF(C2<=1619999,C2-MOD(C2-1619000,1000),
  IF(C2<=1623999,C2-MOD(C2-1620000,2000),
   IF(C2<=6599999,C2-MOD(C2-1624000,4000),
    C2))))
という数式を入力

IF関数がネストしていますので、
「=IF(C2<=1618999,C2,IF(C2<=1619999,C2-MOD(C2-1619000,1000),IF(C2<=1623999,C2-MOD(C2-1620000,2000),IF(C2<=6599999,C2-MOD(C2-1624000,4000),C2))))」
と1行にするよりは、少しでも読みやすくするために上記のように改行を入れたりインデントをするほうがいいでしょう。

「=IF(C2<=1618999,C2,」が、
「電子計算機等による年末調整」の「1給与所得控除後の給与等の金額の計算」の「(1)年調給与額の算出」の表の中の
「1,618,999円まで」「給与の総額をそのまま年調給与額とします。」
の部分です。

「IF(C2<=1619999,C2-MOD(C2-1619000,1000),」が、
1,619,000円から1,619,999円までの年調給与額計算の求め方を数式にしたものです。

「給与の総額」から「同一階差の最小値」をマイナスした値を「階差」で割り算した余りを、「給与の総額」からマイナスした値を求めているのが、
「C2-MOD(C2-1619000,1000)」
の部分です。

「C2」が給与の総額
「1619000」が「同一階差の最小値」ですから、
「C2-1619000」が
「給与の総額」から「同一階差の最小値」をマイナスした値
「MOD(C2-1619000,1000)」が
余りを求めるMOD関数を使って「給与の総額」から「同一階差の最小値」をマイナスした値を「階差」(1000)で割り算した余りを求めている部分です。

「IF(C2<=1623999,C2-MOD(C2-1620000,2000),」が
1,620,000円から1,623,999円までの計算
「IF(C2<=6599999,C2-MOD(C2-1624000,4000),」が
1,624,000円から6,599,999円までの計算です。

最後の「C2」が、
「6,600,000円から」「給与の総額をそのまま年調給与額とします。」の部分です。

▼サンプルファイル(003362.xls 33KByte)ダウンロード

年末調整関連の計算は具体的には以下のような手順で行います。

  1. 年調給与額の計算
  2. 給与所得控除後の給与等の金額の計算
  3. 配偶者控除額の減額
  4. 配偶者特別控除額の計算と減額
  5. 扶養控除額の計算と減額
  6. 基礎控除額・その他の人的控除額の計算と減額
  7. 社会保険料控除額の減額
  8. 生命保険料控除額の計算と減額
  9. 地震保険料控除額の計算と減額
  10. 課税給与所得金額の計算
  11. 課税給与所得金額に対する算出年税額の計算
  12. 年調年税額の計算

このうち今回は最初の工程「年調給与額の計算」をご紹介しました。
以降の計算は後日順番にご紹介していきます。

このネタは、あくまでも「平成20年分 年末調整のしかた」に準拠して記述しています。将来、「所得税法別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が変更になった場合、その他所得税法関連法規が変更になった場合、上記の数式も変更しなければならない可能性が高いことをご理解ください。

関連語句
nenmatsu chosei, year-end tax adjustment, tax payback, employment income, income tax, shotokuzei, japanese tax system,

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