消費税計算に関連して、消費税計算の専用関数などないということ、消費税込み金額の計算方法、それとは逆の消費税抜き価格の計算方法をご紹介してきました。
「エクセル 消費税 関数」
といった検索を行っている方の中には、端数処理について知りたいという方も少なくありません。
2010年現在の消費税率は5%です。
税抜価格に消費税率を掛け算して消費税額を計算したり、税抜価格に消費税率に1を加算した「1.05」「105%」を掛け算して税込価格を計算すると、1円に満たない端数が生じることがあります。
この端数処理をどう行えばいいのかということを調べたいという方が
「エクセル 消費税 関数」
という検索を行っている方の中には含まれています。
まず、端数処理について、法律上はどう定められているかを確認しておきましょう。
法律上は端数を、四捨五入するのか、切り捨てにするのか、切り上げにするのか、どれが正しいのでしょうか。
平成16年2月19日に出された「事業者が消費者に対して価格を表示する場合の取扱い及び課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)」の中に、総額表示に関連した端数処理についての記述があります。
「2(総額表示の具体的な表示方法)」の、なお書きの部分です。
「なお、総額表示の義務付けに伴い税込価格の設定を行う場合において、 1円未満の端数が生じるときは、当該端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えなく、」
という記述があります。
つまり、総額表示の税込み価格を計算する際の端数処理を、四捨五入するのか、切り捨てにするのか、切り上げにするのかは、総額表示を行う法人・個人が決めればOKということです。
ですから、Excelの処理としては、消費税率等を掛け算して、端数を会社等で決めたルールにしたがって四捨五入・切り上げ・切り捨ていずれかの処理すればOKということです。
※A3セルに税抜価格が入力されているときに、端数処理をした消費税額を計算する例 切り捨てしたい場合「=ROUNDDOWN(A3*5%,0)」
四捨五入したい場合「=ROUND(A3*5%,0)」
切り上げしたい場合「=ROUNDUP(A3*5%,0)」
という数式を入力する
Excelで四捨五入するにはROUND関数、切り捨てをするにはROUNDDOWN関数、切り上げをするにはROUNDUP関数を使います。
なお、ROUND・ROUNDDOWN・ROUNDUP関数は、消費税の端数処理に限っって使う関数ではなく、数値の丸め処理全般に使える関数です。
いずれの関数も、第1引数には元の数値を指定し、第2引数にはどの桁で数値を丸めるのかを指定するので、第1引数には消費税額の元になる数式「A3*5%」を入力し、第2引数には「0」を指定しています。
もちろん第1引数は「A3*0.05」でもOKです。
将来消費税率が変更になったときのことを考えて、例えば消費税率をB1セルに外出しにしておくなら、第1引数は「A3*B1」などとしてください。
消費税額ではなく税込価格を計算したい場合は
「=ROUNDDOWN(A3*105%,0)」
「=ROUND(A3*105%,0)」
「=ROUNDUP(A3*105%,0)」
としてください。
税込価格の場合も第1引数は「A3*105%」ではなく「A3*1.05」としたり、B1セルに消費税率を入力しておいて「A3*(1+B1)」などとしてもOKです。
▼サンプルファイル(003620.xls 57KByte)ダウンロード
サンプルファイルには、「消費税額」「消費税額 税率外出し」「税込価格」「税込価格 税率外出し」というシートを作成してあります。
「消費税額」「消費税額 税率外出し」シートには消費税額を計算する例、「税込価格」「税込価格 税率外出し」シートには税込価格を計算する例を作成してあります。
また、「消費税額」「税込価格」シートには消費税率を数式内に直接記入した数式、「消費税額 税率外出し」「税込価格 税率外出し」シートには、消費税率を外に出してB1セルを参照するような数式を入力してあります。
各シートの、A3:A23セルに「100」から「120」までの整数を入力し、B3:B23セルには端数処理をしていない状態、C2:C23セルには端数を切り捨てる数式、D2:D23セルには端数を四捨五入する数式、E3:E23セルには端数を切り上げする数式を入力して、端数の状態を確認するために小数点以下第2位まで表示させてあります。
どのような値が計算されているのか等をご確認ください。
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