表計算ソフトを使いこなすなら、関数を入力するときに(ダイアログボックスを使わずに)手入力するほうがイイと考えています。
しかし初心者の場合、ダイアログボックスから入力することが、ほとんどでしょう。
LibreOffice Calcで関数入力を支援する関数ウィザード
LibreOffice Calcにも、関数を入力するためのダイアログボックス[関数ウィザード]が用意されています。
この[関数ウィザード]の仕様は、Excelの[関数の引数]ダイアログボックスよりも、実は優しいのではないかと感じています。
関数の引数ダイアログの問題点
Excelの[関数の引数]ダイアログボックスでは、引数に文字列を指定する際、「"」(ダブルクォーテーション)が自動的に入力されてしまうケースが多くなっています。
例えば、
=IF(A1>=80,"合格","不合格")
というIF関数を入力する場合、[値が真の場合]欄に「合格」とだけ入力してカーソルを[値が偽の場合]欄などに移動すれば、勝手に「合格」が「"」で括られます。
関数ウィザードの優しい点
一方LibreOffice Calcの[関数ウィザード]の場合、[TRUEの場合]欄に「合格」とだけ入力して[FALSEの場合]欄などにカーソルを移動しても、「"」で「合格」が勝手に括られません。
自分で「"」を入力する必要があります。
この不親切に見える仕様が、実は優しいことではないかと考えています。
データ型を意識する大切さ
表計算ソフトとは、プログラミングの時間軸がワークシート上の2次元平面に展開されたものと、捉えられます。
そのような表計算ソフトを使いこなすためには、(プログラミングでデータ型を意識するのが重要であるのと同様)データ型を初期段階から意識することが必要です。表計算ソフトで扱える正常データのうち、まず区別しなければならないのは数値と文字列でしょう。
数値を引数で指定する場合はそのまま入力すればイイのに対し、文字列を関数を指定するには「"」で括らなければなりません。この文字列を括る「"」に対する意識が欠落したままExcelを使っている方が、少なからずいらっしゃると思うのです。
その要因の一つとして、Excelの[関数の引数]ダイアログボックスでは自動的に「"」が入力されるケースが多いという仕様が、あげられると私は想像しています。
LibreOffice Calcの場合[関数ウィザード]で、「"」を手入力しなければならないのは面倒に見えますが、文字列データをしっかり意識させるという点で、実は優しいのではないかと思うのです。
最終更新日時:2020-02-07 06:08
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