Excelのグラフ機能についてご紹介すると、
「棒グラフで途中が省略されていることを意味する波線を描くには、どうすればいいのでしょうか?」
「Excelにグラフの省略波線を引く機能はないのでしょうか?」
というご質問をいただくことは、非常に多いです。
結論から言えば、途中を省略する波線を簡単に引く機能は用意されていません。
私は、パッケージソフトに標準で用意されていないことを実現しようと考える場合、その実現によって得られる効用との費用対効果を、よ〜く考える必要があると思っています。
会社勤めの経験のある方なら、標準で用意されていないことをやりたがる上司や同僚がいて、苦労した記憶のある方は少なくないことでしょう。
それにどれほどの必要性があるのか、どれくらいの価値を生むのか、その価値を生むためにどんなにコストが必要かを考えずに、自分が気になることを、とにかくやりたがる人がいらっしゃいます。
私個人は、標準で用意されていないことを無理に行おうとするのは、かなりの労力を必要とすることが多いので、その結果得られる効果がよほど大きくないのであればやらない方がいいと考えています。グラフの省略を表す波線も、やらない方がいいと思っているものの一つです。
しかし、インストラクターという立場でこのご質問をいただいた場合、その方法をお答えしないわけにはいきません。
[図形描画]ツールバー−[オートシェイプ]
−[星とリボン]−[大波]をクリックして
オートシェイプ[大波]を作成
↓
[大波]の形状変更ハンドルをドラッグして
波の山と谷の差が激しい状態にする
↓
太さ1.5ptのオートシェイプ[直線]を作成
↓
[直線]を[大波]の右辺上にピッタリ重ねる
↓
[直線]の色を白に変更
↓
[直線]をコピーし[大波]の左辺上にピッタリ重ねる
↓
[大波]と2本の[直線]をグループ化
↓
ドラッグしてサイズを調整
作成作業をする際は、表示倍率を上げておく方がいいでしょう。私は250%くらいで表示して作業しました。
形状変更ハンドルとは、オートシェイプなどの形を変形させるもので、黄色い◇形をしています。[大波]の場合、左辺の直線の横と、下側の波線の下に表示されますが、左辺の左側にある形状変更ハンドルを、できるだけ下にドラッグすることで波の山と谷の差が激しい状態となります。
ここで山と谷の差を激しくするのは、初期状態の[大波]のままでは、サイズを小さくしたときに、波線なのかどうかわからないくらいになってしまうことがあるのを避けるためです。
[直線]はサンプルファイルのように、大波と区別のつきやすい赤色などにしておく方が、作成作業がしやすくなると思います。
▼サンプルファイル(002344.xls 22KByte)ダウンロード
省略の波線をよく使うという方は、できるだけ丁寧に一つ作っておいて、あとはそれをコピーして使いまわすといいんじゃないでしょうか。
但し、、、とても重要なことがあります。
ここでご紹介したのは、あくまでも省略をあらわす波線の作成方法です。グラフで数値目盛を使用していれば、単に波線を引いておしまいというわけにはいきません。数値目盛を調整する必要があります。
これがまた面倒なのです。
その方法はまた後日ご紹介しようとは思いますが、グラフを省略する波線はグラフ機能として標準では用意されておらず、実装するためには相当な手間がかかることを理解していただき、その上で本当に波線を引く必要があるのかを、まずはよくご検討ください。
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