「Excelマクロを独学するのにおすすめの本は何ですか?」
Excel VBA(Visual Basic for Applications)に挑戦してみようと思った方からいただく定番の質問の一つです。
万人向けのおすすめ本というのは、なかなか難しいのですが、おすすめできない本はハッキリと言えます。
まったくプログラミングの経験がなく、Excelマクロで初めてプログラミングに挑戦する方に、おすすめできない本を見分ける、わかりやすいポイントを一つご紹介しておきます。
配列の説明が変数の直後にある本はおすすめしない
まったくプログラミングを行ったことがなく、Excelマクロで初めてプログラミングに挑戦しようという方は、配列の解説が普通の変数の解説のすぐあとに書かれている本を一冊目に買うのは、やめましょう。
配列の説明が、変数の説明の直後にあるかどうかは、目次を見ればわかります。
プログラミングを全くやったことがない方の場合、そもそも「変数」「配列」というものが何なのかがわからないはずですが、目次を眺めてまず「変数」という単語を探してください。
「変数」という項目のすぐ後に「配列」あるいは「配列変数」という項目が存在していたら、その本はプログラミング経験のない方が、一冊目に買うべき本ではありません。
マクロ初心者の気持ちがわかる著者とわからない著者
書店に行くと、たくさんのExcelマクロ入門本が存在しています。
これらの書籍を書いてらっしゃる著者さんは、2種類に分類することができます。
- プログラミング初心者の気持ちがわかる著者
- プログラミング初心者の気持ちがわからない著者
の2種類です。
後者の初心者の気持ちがわからない著者さんが、普通の変数の説明に続けて配列の説明を書いてしまうという過ちを犯してしまいます。
配列はプログラミング初心者には容易ではない
これまで、たくさんのExcelマクロ経験者の方にお会いしてきて、配列を苦手とする方が少数派ではないことを実感しています。
「配列のセミナーをやってください。」
という声を何度も耳にしました。
私自身の過去を振り返っても、配列の理解は、少し時間がかかったことを思い出すことができます。
変数をしっかり理解できて、カウンタ変数を使ったFor~Nextループ処理の便利さを味わってからでないと、配列はなかなか理解し辛い項目です。
Excelマクロは配列を使わなくてもかなりのことができる
そもそもExcelマクロは、配列を使わなくても、かなりのことまでできます。
Excelマクロで何をするかは勿論ケースバイケースです。ですが配列を使わなくてもかなりのことまで、Excelマクロの場合はできてしまうのです。
プログラミング経験のない方が、配列の学習を開始すべきタイミングは、最低でもカウンタ変数を使ったFor~Nextループをスラスラ書けるようになってからです。
Excelマクロが専門ではない著者の書いた本がある
であるにも関わらず、変数の直後に配列の解説を書いてしまう著者さんがいらっしゃるのはどういうことなのでしょう。
先ほど上げた、
- プログラミング初心者の気持ちがわかる著者
- プログラミング初心者の気持ちがわからない著者
という分類の他に、
- Excel VBAに詳しい著者
- Excel VBAよりも他のプログラミング言語に詳しい著者
という分類も可能です。
実は、Excel VBAよりも他のプログラミング言語に詳しい著者さんの書いたExcelマクロ本が、少なからず存在しているのです。
たくさんのデータを扱う際、配列を使わないとコードを上手く書けないケースが、他のプログラミング言語の場合はExcel VBAよりも多いために、変数と配列をセットにして学習するのがクセになっている著者さんがいらっしゃいます。
そういった著者さんで、プログラミング初心者の気持ちがわからないと、初心者には決して容易ではなく、Excel VBAの場合には後回しにするほうがいい配列の解説を、変数の解説のすぐあとに書いてしまうように感じています。
Excelマクロではじめてプログラミングに挑戦するという方は、変数の解説のすぐあとに配列の解説が続いている本を独学用として一冊目に選ぶのは、やめておきましょう。
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